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国言葉
「国言葉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
国言葉の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黴」より 著者:徳田秋声
と、お銀はじきに懇意になった。気心が解って来ると、細君は茶の室へあがって来て、お
国言葉丸出しで自分の身のうえを明け透け話した。夫婦はついここへ来るまで、早稲田の....
「小祝の一家」より 著者:宮本百合子
わかったという風に口をとがらして云った。 「だけんど――皆がおらこと」 といつか
国言葉に戻り、 「チビの癖して、しわん坊だつからやだなア」 その会社では給仕仲....
「突堤」より 著者:宮本百合子
だれ》の奥から浴衣姿の年とった奥さんが、 「まアおばん様、あぶなかったのし」 と
国言葉で云いながら出て来て、祖母を扶けて座敷へ上げて呉れた。 そうこうしている....
「写真に添えて」より 著者:宮本百合子
たら、八十何歳かの祖母が、そんな目玉もない真白な化物はうちさいれられねえごんだと
国言葉で憤慨し、それを説得するに大骨を折ったと話したりしたこともありました。 ....
「二つの家を繋ぐ回想」より 著者:宮本百合子
うね」 「そうするもんだ。親の家へも行かないってことがあるんでねえ」 祖母は、
国言葉を出し、今にも手を引いて立ちそうな顔をした。 「今日行くの?」 「そうよ!....
「ある女の生涯」より 著者:島崎藤村
ん、田舎風の御馳走が来たぞ。や、こいつはうまからず」 と直次も姉の前では懐しい
国言葉を出して、うまそうな里芋を口に入れた。その晩はおげんは手が震えて、折角の馳....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
へ行くとそこは国の人ばっかりで(ああ。そうそう。裏へ返さなくては。つい忘れて)お
国言葉で談論風発です。国事を談ずる、という風にやっていてね、独特な野性味があって....
「神経」より 著者:織田作之助
うんざりさせられるし、この人を真似た某大官の演説は、砕けすぎて気を許したのか、お
国言葉の東北弁まるだしだ。 バイオリンの天才少女の辻久子は、八つか九つの時、豆....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
、自分を私の弟子にしてくれといっているようである。どうも私にはこの人のいってるお
国言葉がちっとも分らない。その中|懐から添え書きようの物を出したから、見ると、そ....