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「国訛り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

国訛りの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いくらか作り声をしているらしいので、これもよくは判らなかったが、その声音に著しい国訛りはきこえないようであったと長左衛門は云った。かれは持参の生首というのは確か....
」より 著者:島崎藤村
を言った。 「あんなに、喋舌って、喋舌って、喋舌りからかいて――」と豊世は思わず国訛りを出した。 「奥さん、吾家の母親さんをああして出して置いても可いでしょうか....
新世帯」より 著者:徳田秋声
ていた部屋部屋のちんまりした様子や、手がけた台所の模様が、目に浮んだ。どこかに中国訛りのある、優しい夫人の声や目が憶い出された。出る時、赤子であった男の子も、も....
」より 著者:徳田秋声
い朝、十時ごろに楊枝をつかいながら台所へ出て来た笹村の耳に、思い出したこともない国訛りで弁っている男女の声が聞えて来た。それがこっちの裏口と向い合っている真中の....
」より 著者:徳田秋声
らどぶんと飛込んじゃった。残念でならんがだ。」爺さんは調子に乗って来ると、時々お国訛りが出た。 「そこへ上官が二人通りあわせて、乗棄ててある馬を見るとえ――、た....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
で江戸ッ子をもって任ずるがんりきの地声ではない、特におどしを利《き》かす場合のお国訛りに相違ないでしょう。 「のろま!」 がんりきはカンテラを持ち上げて、清次....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
ピッドも、黒い籠も、黒い女性の神々も、もちろん、皆、鏡の縁の彫刻である。 少し外国訛りがあったが………… その理由は少し後になって判明する。 ボーヴェー パ....
フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
い海の上で見殺しにしたりはなさらないよ。」 僕を認めると、その見知らぬ人は、外国訛りの英語で僕に話しかけました、「お船に乗せていたただく前に、どこへおいでにな....
鴻ノ巣女房」より 著者:矢田津世子
。まったくぎんは値切ることにかけては名人だった。ちょいした瑕やあらを見付けては、国訛りのぼっそりとした調子で「負けれせ」というのが口癖なのである。あの「負けれせ....
茶粥の記」より 著者:矢田津世子
口でなんか食えやしませんよ……」 身を入れて話すと良人の口調には知らずしらずに国訛りがまじる。 「鮑ですか? 近海ものは御免ですね。まあ沼津あたりのだったら、....
艶色落語講談鑑賞」より 著者:正岡容
中たちに睨まれては大変と思ったからだろう、さっそく走り使いの男を呼び寄せると、お国訛りもものものしく、 「コレコレ急いで鉄漿の落ちん粉を買ってまいれ!」 と命....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
。」 采女が門口から案内を求めると、一人の若侍が長巻をかかえて出て来た。彼は中国訛りで訊いた。 「どなたでござる。」 「それがしらは執事殿の館からまいった者。....
黒田如水」より 著者:吉川英治
菊の家のある飾磨にも近い。同じ播州である。彼女は、どうしても脱くことのできない中国訛りを、この中国そだちの室殿が、聞きわけていないはずはないと怖れた。 果たし....
俗臭」より 著者:織田作之助
伝三郎の妻は傍の市治郎の妻にそういった。ぽかんとしていた市治郎の妻は、あわてゝお国訛りで、 「はあ、ほんまにそうのし。良えのし」といい、まるで伝三郎の妻に謝って....