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「国許〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

国許の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
路上」より 著者:芥川竜之介
日《きょう》は?――御帰りですか。」と、出直して見た。 「ちょいと兄の所まで――国許《くにもと》の兄が出て参りましたから。」 「学校は? 御休みですか。」 「ま....
星座」より 著者:有島武郎
ょにいようと勧めたからのことであるのを知っていた。それにしても、足りないながらも国許から毎月自分に送ってくる学資をよそに消費しておいて――消費するというと大きく....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
。為吉の傷は重いので一時はどうだかと危ぶまれましたが、これもふた月あまりで全快、国許から迎えの者が来て、金右衛門と為吉兄妹を引き取って帰りました」 「それから、....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の蝋燭を持ち込む積りであったのだろうと思われます。そこで、その進物《しんもつ》を国許から江戸へ送って来るには、もちろん相当の侍も付いているに相違ありませんが、そ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
んで、奉公のあいだに剣術の修行をしていました。その叔父の名は忘れましたが、これは国許で医者をしていたそうです。その叔父が十一月なかばに江戸へ出て来て、かたきの与....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
に住んでいることを余儀なくされた諸大名の奥方や子息たちは、われ先にと逃げるように国許へ引きあげた。勿論この屋敷でも奥方を領地へ送ることになったが、乱心同様の奥方....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
らないで勤めているところを、団員を装って入り込んでいた帆村探偵に助け出され、この国許の磯崎へ、送りかえしてもらったことを覚えていられるだろう。 「ああ、それでは....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
。まさかに長の暇にもなるまいとはいうものの、身持放埒とかいうような名義のもとに、国許へ追い返されるぐらいのことは覚悟しなければならない。毎日うかうかと遊んでいる....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
が、さて今度はその相手に近寄る手だてに困りました。彦右衛門は屋敷の用向きで江戸と国許のあいだをたびたび往復することを知っていましたので、この渡し場に待っていて、....
日本脱出記」より 著者:大杉栄
の仕度にかかった。 それにはまず、ドイツ領事のヴィザをもらう前に、警察本部の出国許可証をもらわなければならない。それが、警察へ行くたびに、あしたやる、あさって....
女客」より 著者:泉鏡花
の半身は、雲の絶間の青柳見るよう、髪も容もすっきりした中年増。 これはあるじの国許から、五ツになる男の児を伴うて、この度上京、しばらくここに逗留している、お民....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
初心なものなれども、これがなかなかの習事じゃ。――まず都へ上って年を経て、やがて国許へ立帰る侍が、大路の棟の鬼瓦を視めて、故郷に残いて、月日を過ごいた、女房の顔....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
り成り候て、当時は必至と難儀いたし候、もつとも在所表は身分相応の者どもに候間、右国許へまかり越し、金子才覚いたし度候へども、なにぶん路用に差支へ候、近ごろ無心の....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
留していた。それから足掛け三年もぐずぐずしていたが、いよいよ帰京することに決して国許を出発し、途中小倉に立寄った。鶴見はここで久しぶりに往年の少女と遇うことにな....
恨みの蠑螺」より 著者:岡本綺堂
った。それから一年ほどの後に、甚五郎は身持|放埒の廉を以って留守居役を免ぜられ、国許逼塞を申付けられた。 さてその本人のお安という女は、病気のために死んだかど....