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国費
「国費〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
国費の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
うのだろうか。なんという無謀な死刑宣告だろう。博士の研究のうちでも、目下莫大なる
国費を費して研究半ばにある人造人間の建造などは、これからどうなるのであろうか。二....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
いう(多分資本家自身にも責任のある!)社会問題が発生するからだ。――金のかかる(
国費も要れば息子の学資も要るし、それに大事な点は雇い入れるにも専門学校卒業生より....
「一足お先に」より 著者:夢野久作
事実です」 「ナアル程、思い当る事がありますね」 「そうでしょう。ちょうど軍縮で
国費が余るのと同じ理窟ですからね。手術前の体質は勿論、性格までも全然違ってしまう....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
き廻って今日ドサクサするに及び、ヤレ汽車賃を割引するから参宮に出掛けよとか、ソラ
国費を以て某々の社を廓大しようとか大騒ぎに及ぶは既に手後れの至りで、汝の罪汝に報....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
勢の昭王をやりこめ天下に二つとない和氏《かし》連城の玉を全うして還ったは、大枚の
国費で若い女や料理人まで伴れ行き猫の欠《あくび》ほどの発言も為《な》し得なんだ人....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
一等長く従って一等詳しい。「国民負担の均衡を図り、国家の存立発展のために必要なる
国費の財源を涵養するため、中央地方を通じ、税制改革を行い、物価の投機思惑による国....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
上の責任を尽す必要上それだけの要求をなすことは当然であろうが、その得たる軍事費は
国費総額の約四割六分強に当る、国防のみを如何に充実し得たとしても非常に困窮してい....
「傷痕の背景」より 著者:豊島与志雄
は其後杉本に逢うと、彼に後ればせの好意を示すためか、或は世界的思潮に共鳴してか、
国費全体と軍備費との数字的比率を持出し、軍備制限の必要を説き、最小限度の軍備に就....
「清水幾太郎さんへの手紙」より 著者:三好十郎
いう事件だろう? 朝鮮戦線ではアメリカの青年が、数多く戦死しつつあり、アメリカ
国費の巨大なものが費されている。つまり朝鮮戦争は少なくともアメリカ政府にとっては....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
者ばかり沢山|殖《ふ》えたら一国の損失は非常のものでしょう。それを考えたらむしろ
国費を以て良乳を廉価に供給すべしとこう申した処が到底行われませんけれども政府の当....
「三国志」より 著者:吉川英治
所もなき皇叔に、愍れみをかけた御方は、天下わが主おひとりであった。後なお、莫大な
国費と軍馬を賭して、曹操を赤壁に破ったればこそ、皇叔にも、ふたたび時に遭うことが....
「三国志」より 著者:吉川英治
していた。 「ああ旺なものだ。魏と蜀は、ここ連年にわたって、祁山と渭水に、莫大な
国費と兵力を消耗してきているが、呉のみは独りほとんど無傷である。加うるに江南以東....
「三国志」より 著者:吉川英治
れらの高楼、大閣のほかに、崇華園、青宵院、鳳凰楼、九龍池などの林泉や別荘が人力と
国費を惜しみなくかけて造られた。これに動員された人員は、天下の工匠三万余、人夫三....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
正月、天暦いらい荒廃のままとなっている 大内裏造営 の議が決まって、さてその
国費は? というところから、このくるしい捻出案も即時に可決されたものだった。 ....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
添え」の義で、食物に添えて喰うものたるに過ぎない。農民のみが食物の供給者であり、
国費を支弁する納税者である以上、それのみが公民であって、その以外の者は、たとい相....