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圏内
「圏内〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
圏内の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「広津氏に答う」より 著者:有島武郎
るべきであり、また築き上げられるであろうと信ずるものである。ブルジョアジーの生活
圏内に生活したものは、誰でも少し考えるならば、そこの生活が、自壊作用をひき起こし....
「星座」より 著者:有島武郎
なかったから。そして一般に日本の処女が持ち合わしている話題は一つとして園の生活の
圏内にはいってくるような性質のものではなかったから。童貞でありながら園は女性に対....
「宣言一つ」より 著者:有島武郎
上氏の言葉をこう解する、「河上氏も私も程度の差こそあれ、第四階級とは全く異なった
圏内に生きている人間だという点においては全く同一だ。河上氏がそうであるごとく、こ....
「鎖工場」より 著者:大杉栄
でも戦闘する。 戦闘は自我の能力の演習である。自我の権威の試金石である。俺達の
圏内に、漸々になまけものを引寄せて、そいつらを戦士に化せしめる磁鉄である。 そ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
ば、もうそこにはこの生活は成り立たない。そして私がこれからいおうとする智的生活の
圏内に這入ってしまう。私は安んじてこの生活に倚りかかっていることが出来ない。 ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ればたくさんである。それならば一体いかなる目的のために他の五つの遊星が各自別々の
圏内に動いているのであろうか。歩みの遅い土星は一周に三〇年を要し、かの光り瞬く木....
「空中墳墓」より 著者:海野十三
発見せられなかったようでした。松風号はどういうわけだか、地球をはなれて、月の引力
圏内にまで入ってゆきました。燃料はもうすっかり無くなっていましたが、あとは月に引....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
やと思ったときはいつか復一は自分から皮膚感覚の囲みを解いていて、真佐子の雰囲気の
圏内へ漂い寄るのを楽しむようになっていた。すると店の灯も、町の人通りも香水の湯気....
「火星探険」より 著者:海野十三
につまってしまった。 さて、一同の乗った宇宙艇はいよいよ火星に近づき、その引力
圏内に入った。それはいいが第一の難関がやってきた。それは宇宙塵圏のことである。本....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
だ気がつかないのか、一向警戒をしている様子が見えないね。しかし、もう向こうの哨戒
圏内に入ったとみなければならぬ」 と、艦長の声が終るか終らないうちに、突然右舷....
「坑鬼」より 著者:大阪圭吉
して技師を殺害することが出来よう。これで四人の嫌疑者のうち二人までが同時に嫌疑の
圏内から抜け出てしまった。残りは二人だ。 係長は、ひとまず岩太郎とお品を控室に....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
任に続いて恩師古川の理由なき罷免に対する不満であったが、それ以外に何時かは俗吏の
圏内を脱して自由の天地に※翔しようとする予ての志望が幇助っていた。本と本と二葉亭....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
もは法燈再び赫灼として輝くを見ても古い戯作の頭ではどう做ようもなく、空しく伝統の
圏内に彷徨して指を啣えて眼を白黒する外はなかった。中には戯文や駄洒落の才を頼んで....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
十一日、晴れ、かつ暖。午前七時、ホンコンへ入港す。ホンコンは台湾南部とともに熱帯
圏内にあれば、わが内地の七月ごろの気候なり。船檣の湾内に林立せるありさまは、東洋....
「北海道に就いての印象」より 著者:有島武郎
点が殊に光度を増すので、真の太陽の周囲四ヶ所に光体に似たものを現わす現象で、北極
圏内には屡※見られるのだがこの辺では珍らしいことだといって聞かせてくれた。又私の....