圏点[語句情報] »
圏点
「圏点〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
圏点の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「野分」より 著者:夏目漱石
だ新らしい。四五日前に出たばかりのである。折れた所は六号活字で何だか色鉛筆の赤い
圏点《けんてん》が一面についている。僕の恋愛観と云う表題の下に中野春台《なかのし....
「思い出す事など」より 著者:夏目漱石
した。 風流人未死。 病裡領清閑。 日々山中事。 朝々見碧山。 詩《し》に
圏点《けんてん》のないのは障子《しょうじ》に紙が貼《は》ってないような淋《さび》....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
における恒星の運動を示すものである。 図の小黒圏は諸星の現在の位置を示す。この
圏点から引いた直線はその星が最近三五〇〇年間に動いた軌道を示すものである。これか....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
赤耀館事件の真相につき御聴取を煩わしたく云々」とあった。赤耀館事件の真相と呼び、
圏点まで打ってあるところを見ると、矢張り私の想像したとおりに、今日まで発表された....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
って、それを黒板に書いて、順々に覚えさせていくようにした。ことにむずかしい字には
圏点をつけてそのそばに片仮名でルビをふってみせた。卓の前に初めて立った時の苦痛は....
「田端日記」より 著者:芥川竜之介
ら勝っても負けても、どちらでも差支えない。その中に赤木は、「一体支那人は本へ朱で
圏点をつけるのが皆うまい。日本人にやとてもああ円くは出来ないから、不思議だ。」と....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
理法の憲法なる「随園食箪《ずいえんしたん》」には何と書いてある。試みに田山白雲が
圏点《けんてん》を付してあるところだけを読んで、仮名交り文に改めてみてもこうであ....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
たばかりだが、既に一週間も以前から、今日の祝日の次第、献立|書が、処々、紅の二重
圏点つきの比羅になって、辻々、塀、大寺の門、橋の欄干に顕われて、芸妓の屋台囃子と....
「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
は、原文において強調の意味を以て斜体活字《イタリック》で印刷されている語であり、
圏点を付してあるのは、同じく強調の意味で頭文字だけで印刷されている語である。 ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
その詳細は重要なものであって、少しく言を費やすのもむだではあるまい。いやおそらく
圏点を施してもいいことと思う。
いつの頃よりか昔から、モントルイュ・スュール・....
「狂人日記」より 著者:井上紅梅
たことがある。人物評論でいかなる好人物でもちょっとくさした句があると、彼はすぐに
圏点をつける。人の悪口を書くのがいいと思っているので、そういう句があると「翻天妙....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
生の読みふるしの本とちがって、かなり装幀がくずれており、どの頁にも色鉛筆で、線や
圏点が入れてあった。――集会の折の話題の半分以上は、この部屋での読書から生れるら....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
。」言葉は長かったが意味はこの外に出なかったと思う。殊にその詩人という字には二重
圏点が施してあったと記憶する。居士がその後一念に俳句革新に熱中したのはこの時の決....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
は何でも自分が先生のような積りで居る男であった。俳句を見せると直ぐそれを直したり
圏点をつけたりする。それはいいにしたところで僕が漢詩を作って見せたところが、直ぐ....
「翻訳遅疑の説」より 著者:神西清
やと、其古人の胸中を想見し、其意に就て形を求め候はば、違事有まじく被存候。……」
圏点も無用、註釈《ちゅうしゃく》も無用、ただひたすらに心を耳にして、さて黙って引....