土となる[語句情報] » 土となる

「土となる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

土となるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
虞美人草」より 著者:夏目漱石
こだ」 と宗近君が急に頭の上で天狗《てんぐ》のような声を出す。朽草《くちくさ》の土となるまで積み古《ふ》るしたる上を、踏めば深靴を隠すほどに踏み答えもなきに、甲....
薤露行」より 著者:夏目漱石
。君一人のために死ぬるわれを憐れと思え。陽炎《かげろう》燃ゆる黒髪の、長き乱れの土となるとも、胸に彫るランスロットの名は、星変る後の世までも消えじ。愛の炎に染め....
新生」より 著者:島崎藤村
も、殆《ほとん》ど一切休止の姿だ。彼の周囲には、戦争あるのみだ。 岸本は異郷の土となるつもりで国を出て来た自分の決心が到底行われ難いことを感じて来た。国には彼....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
どのものはあるまい。冒頭でもいったように国際法の規定では、沿岸を占めれば奥地も領土となる。いま、グリーンランドで新領土の余地などというものは、誰がみても皆目ない....
柳毅伝」より 著者:田中貢太郎
って行って拝をした。銭塘君も毅に礼を返した。 「先生がなかったなら、女姪は※陵の土となるところであった」 銭塘君は傲然として言ってから、今度は洞庭君の方を見た....
霜凍る宵」より 著者:近松秋江
呪ったであろう。出来ることなら、薄情な京都の人間の住んでいるこの土地を人ぐるみ焦土となるまで焼き尽してやりたいとまで思っているのである。他人はことごとく無情であ....
二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
想像したものは一人も無かった。それを反対にいつかは列強の餌食となって日本全国が焦土となると想像したものは頗る多かった。内地雑居となった暁は向う三軒両隣が尽く欧米....
十二支考」より 著者:南方熊楠
は糸しい事や、いつを楽とも思いもせいで、背骨は損し、足打ち折れて、ついには野辺の土となる/\」、次の奴は「西竹林のけい三ぞくは、ある甲斐もなきかたわに生まれ、人....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
まる、垂井の宿はその昔、天下分け目の関ヶ原の時にあわされたと同様な運命に落ちて焦土となる――というようなことになってしまっているようです。 これもまた、常識を....
変った話」より 著者:寺田寅彦
住民が大砲弾に乗込んで地球に進入し、ロンドン附近で散々に暴れ廻り、今にも地球が焦土となるかと思っていると、どうしたことか急にぱったりと活動を停止する。変だと思っ....
巴里の秋」より 著者:岡本かの子
悠長に飛んで行く。 ――いよいよね。今月|一ぱいで店を畳んで、はあ、ツール在の土となるまでの巣を見つけて買い取りましたよ。巴里にも三十年、まあ三十年もまめに働....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
とは、……死ぬこと、大地の平和の中に融《と》け込むこと、……「それから自分の身が土となる」ことは……。 クリストフは、それらの病的な思想を振るい落し、弱った魂....
開運の鼓」より 著者:国枝史郎
分れて押し寄せて来る。二百数十年泰平を誇ったさすが繁華な大江戸も兵燹にかかって焼土となるのもここしばらくの間となった。贅沢出来るのも今のうちだ、それ酒を飲め女を....
迷信解」より 著者:井上円了
り生じたるに相違ないといってある。また火生土とは、火にて物を焼けば灰となり、灰は土となるとの説明である。また金生水とは、鉱山を掘るには、鉱石の間より水出ずるとの....
明るき世界へ」より 著者:小川未明
、だれも悲しいというような感じを抱きませんでした。このままこの国に朽ちてしまって土となるよりは、生まれ変わって幸福の島へゆくことがどれほど楽しい愉快なことである....