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土人形
「土人形〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
土人形の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
ば落ちるだろうということも無意識のうちに感じていた。土砂降りの雨の中へ、その男が
土人形のように落ちて行く姿も、その男の胸を突きかえす一瞬前に、章三の頭に閃いてい....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
にして、他の役人らが付き添って、近所の廟をたずね廻らせると、城隍廟のうちに大小の
土人形がならんでいる。その顔や形がそれらしいというので、試みに一つの人形の腹を毀....
「死体の匂い」より 著者:田中貢太郎
獺か猫かの死んでいるようであった。死体は五六間下手の方にもまだ一つ見えた。それは
土人形のような感じのする死体で仰向けになって浮いていた。私は二人とも人間のような....
「たより」より 著者:宮本百合子
に私の心をすがすがしくさせてくれる事でございましょう。 金の櫛をさして眼の細い
土人形の姫だの、虫封じのお守りの小さい首人形をながめながら、しっとりと重い髪の毛....
「続堕落論」より 著者:坂口安吾
民は戦争をやめたくて仕方がなかったのではないか。竹槍をしごいて戦車に立ちむかい、
土人形の如くにバタバタ死ぬのが厭でたまらなかったのではないか。戦争の終ることを最....
「西瓜」より 著者:岡本綺堂
ただ不思議なのは、その首の切口から血のしたたっていないことであるが、それは決して
土人形の首ではなく、たしかに人間の生首である。番人らは一応その首をあらためた上で....
「古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
ち天平十二三年以後には、一般民衆までが西方の風を好み、女の服装などは、当時の俑(
土人形)に見ても明らかであるごとく、ほとんどギリシア風に近かった。そうしてこの時....
「創作の心理について」より 著者:和辻哲郎
生命によって姙まれたもののみが生きて産まれるのである。我々は創作に際して手細工に
土人形をこさえるような自由を持っていない。我々はむしろ姙まれたものに駆使されその....
「墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
屋……スパセニアの部屋……いずれも若い娘たちの部屋らしく、日本の人形やユーゴの郷
土人形なぞを飾って、こぢんまりと居心地よく、父親同様書物好きとみえて、そして書物....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
答なればとて、十兵衛厭でござりまするとはあまりなる挨拶、他の情愛のまるでわからぬ
土人形でもこうは云うまじきを、さりとては恨めしいほど没義道な、口惜しいほど無分別....
「天狗」より 著者:室生犀星
なえてゆくばかりでなく、人々は、荒廃した堂宇に、多くの天狗の額を奉納した。それは
土人形のような天狗の面を形作った額面だった。が、ふしぎなことに、その額面に金網を....