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土佐犬
「土佐犬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
土佐犬の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「猟奇の街」より 著者:佐左木俊郎
だい」 彼女は夫に赤ん坊を突きつけた。夫は怪訝《けげん》そうな目で彼女を見た。
土佐犬のような顔! が、その犬のように尖《とが》った口を急に侮蔑《ぶべつ》の笑い....
「蠅」より 著者:海野十三
は私の身体が大きくなったのでそう見えるのであろう。室内の調度に比べると、彼の蠅は
土佐犬ほどの大きさになっているらしかった。大量の生長液を飲んだせいで私は尚もグン....
「蟹工船」より 著者:小林多喜二
逃亡する。それが捕まると、棒杭にしばりつけて置いて、馬の後足で蹴らせたり、裏庭で
土佐犬に噛み殺させたりする。それを、しかも皆の目の前でやってみせるのだ。肋骨が胸....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
葉之助は猪の檻を開いた。猪は牙を噛んで突進した。 尚、いくつかの檻があった。
土佐犬の檻、猛牛の檻、そうして、どうして手に入れたものか、一つの檻には豹がいた。....
「華々しき一族」より 著者:森本薫
須貝 土佐の生れだからね。 昌允 ああ、それなら、泳げますね。 未納 土佐か、
土佐犬か。土佐って何県だったかな。 昌允 知らないのか。 須貝 一寸、失敬。 昌....
「人を殺す犬」より 著者:小林多喜二
した。 一人が逃亡者のロープを解いてやった。すると棒頭がその大人の背ほどもある
土佐犬を源吉の方へむけた。犬はグウグウと腹の方でうなっていたが、四肢が見ているう....
「同感」より 著者:豊島与志雄
二は、優者として動物に臨む態度だ。――B君は、純血とまではいかないが可なり立派な
土佐犬を飼っていた。屡々散歩に連れて出た。友人が来ると、わざわざ愛撫の様を見せて....
「変る」より 著者:豊島与志雄
れは、彼の奉天の店へ、時々現われた犬である。恰好はセパードに似て、大きさや毛並は
土佐犬に似た、ひどい雑種だ。往来で、何かに瞳をすえて、歯をむきだしてる姿には、ひ....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
のと、西洋犬に近いのと二種類できた。 この日本犬的なのが秋田犬で、西洋的なのが
土佐犬である。だから大館市や弘前市の近所には
土佐犬の産地があるのである。秋田犬、....
「子をつれて」より 著者:葛西善蔵
の樹にはいつでも蝉がギン/\鳴いていた。また玄関前のタヽキの上には、下宿の大きな
土佐犬が手脚を伸して寝そべっていた。彼は玄関へ入るなり、まず敷台の隅の洋傘やステ....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
一の伴侶《とも》、利口者として飼主よりも名の高い、甚右衛門は犢《こうし》のような
土佐犬であった。 その犬に先達されて、藤吉部屋の三人、こけつまろびつ御門跡の裏....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
きで固めてごぜえます。」 「よし。」と釘抜藤吉が立ち上った。五尺そこそこの身体に
土佐犬のような剽悍《ひょうかん》さが溢れて、鳩尾《みぞおち》の釘抜の刺青が袷《あ....
「こんにゃく売り」より 著者:徳永直
こんにちは――と言った。すると、果して大きな犬はすぐ眼をさました。ブルドックだか
土佐犬だか、耳が小さく頬っぺたのひろがったその犬は、最初ものうそうに眼をひらいた....
「肌の匂い」より 著者:三好十郎
出すと、不意にクラクラッとする位に、逢いたくなつたのです。久保とルリ。あの丸い、
土佐犬のように默々とした久保。それから白く匂うルリ。なつかしい。逢いたい。……僕....
「俗臭」より 著者:織田作之助
の金をいつまでも返済せず、うやむやにしていた。権右衛門は伝三郎が近頃七百円もする
土佐犬を飼い、おまけに闘犬に勝ったといっては犬の鎖や土俵入りの横綱に大枚の金を使....