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土俗
「土俗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
土俗の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河明り」より 著者:岡本かの子
ねた娘は、ふと淡い恋に誘われた。 相手は学校へ往き来の江戸川べりを調査している
土俗地理学者の若い紳士であった。この学者は毎日のように、この沿岸に来て、旧神田川....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
失われた王国の典儀を守ることだ。ああ、僕だってそうじゃないか。どうして今までに、
土俗人種学がこの難解きわまる事件を解決しようなどと考えられたろうか。とにかく、支....
「姉川合戦」より 著者:菊池寛
という伝説があるが、閻魔大王の姉に竜王があるという話はあまり聞かないから、之れは
土俗の伝説に過ぎないであろう。野村、三田村附近では、右岸の高さは六七尺以上で、昇....
「読書法」より 著者:戸坂潤
経済学・言語学・考古学・ジャーナリズム・新聞・政治学・戦争・地理学・民俗学・及び
土俗学・其の他其の他の項目が含まれている。この種の項目を副次的な参照としてでなく....
「白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
沢の中に散在している。栂、樅、唐檜、白樺などは、山の崕に多く、水辺には、川楊や、
土俗、水ドロの木などが、疎に、翠の髪を梳っている。七月の炎天も、この谷間までは迫....
「自由画稿」より 著者:寺田寅彦
返してそれに新しい生命を吹き込んだ人ではないかと想像される。 近ごろわが国でも
土俗学的の研究趣味が勃興《ぼっこう》したようで誠に喜ばしいことと思われるが、一方....
「イデオロギー概論」より 著者:戸坂潤
*。 * 知識社会学に関するデュルケムの優れた思想は、原始民族社会に於ける宗教の
土俗学的な材料の整理から惹き出される(〔E. Durkheim, Les for....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
始的な諸条件とその発展との研究から始まる。そこでは人類学的・考古学的・人種学的・
土俗学的・な諸研究――それは現在に於ける原始民族の研究に俟つ処が甚だ多い――が、....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
ズム化したようなものに過ぎない。日本に於て民衆として存在するものは、民俗学的な、
土俗学的なものでしかないのだ。市井、巷間に横たわるものが民衆ということである。今....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
へし合いでもやってやれ。 実際私は神楽場の空気をおもしろいと思った。民族的な、
土俗的な力強い何ものかがあった。「盛んな」という感じが本当に出るのは、角力場か、....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
わる必要もないだろう。 しかし、今日もなおアンコ風俗などに残っている大島島民の
土俗の主流をなすものは、流人系統のものではない様だが、どうだろう。 大島の古い....
「「日本民族」とは何ぞや」より 著者:喜田貞吉
異民族の、混淆共棲の事実を否定する事が出来ぬ。それはただに考古学者や、人類学者・
土俗学者・社会学者等が、その専門学的見地よりこれを立証するのみならず、我が古伝説....
「「ケット」と「マット」」より 著者:喜田貞吉
ット」と「マット」なる語について考察を試みてみたい。 新潟県中魚沼郡の山間に、
土俗ケット或いはケットウと呼ばれる部落がある。またそれに対して別にマットと呼ばれ....
「憑き物系統に関する民族的研究」より 著者:喜田貞吉
ある。この意味において自分は、問題の牛蒡種は護法胤ではあるまいかと思うのである。
土俗の学に堪能なる柳田國男君はかつて郷土研究(二の六、四一頁)に護法童子の事を論....
「オシラ神に関する二三の臆説」より 著者:喜田貞吉
東北文化の研究については、
土俗上、信仰上、見のがすことのできないものの一つにオシラ神がある。オシラ神の事に....