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「土倉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

土倉の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
ちろん白昼も跳梁し、鐘をならし喊声を揚げ、富豪を劫掠する。最も多く厄に遭うものは土倉すなわち質屋ならびに酒屋であった。襲撃のおそれある家では、危険を避け、一揆が....
妾の半生涯」より 著者:福田英子
上《のぼ》らばやと思い定め、当時自由党中慈善の聞え高かりし大和《やまと》の豪農|土倉庄三郎《どくらしょうざぶろう》氏に懇願せんとて、先ずその地を志し窃《ひそ》か....
雪の宿り」より 著者:神西清
ん。例の流れ星騒動の年には、大甞会のありました十一月に九ヶ度、十二月には八ヶ度の土倉役がかかります。徳政とやら申すいまわしい沙汰も義政公御治世に十三度まで行われ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
で祖廟の垂言に報ふなく、生を偸んで晏如たりえん。 ひそかに、青雲を思ふや多年。土倉に弓箭は満ち、山沢に健児は待つ。然れども、その日を見ず、いま、事あらはれて、....
私本太平記」より 著者:吉川英治
」 豊麻呂は説明する。 赤土の破れ土塀は三町四方もあるという。建物はおおむね土倉か、ほッ建て小屋にすぎぬが、棟数は何十戸かわからない。また、構内の掘割には、....
私本太平記」より 著者:吉川英治
麻呂は急に、彼の手をとって、外へ出た。 そして、駈け乱れる跫音のすきに、彼方の土倉の一つへ駈けた。俊基の身を、内へ隠して、彼自身は、倉の外に、太刀の鐺を反らし....
私本太平記」より 著者:吉川英治
河内地方は去年も今年もあいにくな旱魃で作物のみいりはよくなく、蓄備の郷倉も水分の土倉もその底は浅かった。 が、正成は、 「この冬さえ支えれば」 という見こし....
私本太平記」より 著者:吉川英治
院の建物へ忍びよって行った。 警固の人馬はあらかた津山川の河原近傍から、蓄備の土倉の方に屯しており、ここの古建物の行宮も、いわば地方の郷役所にすぎない物、さし....
私本太平記」より 著者:吉川英治
えば、わが叔父御にちがいありません。どこへ来ていますか」 仮屋としている農家の土倉から出てみると、なるほど、見知らぬ一人の武士と姿を並べて、茫然と変りはてた能....
私本太平記」より 著者:吉川英治
ぐ兵をやって、 「さような奴は、家族どもをひっくくれ」 と命じ、また、 「家に土倉を持つ者なら、その土倉や納屋に封をして、稼業も差し止めい」 とばかり、終日....
私本太平記」より 著者:吉川英治
が、尊氏はこれも、貧民いじめの悪政として、かたく禁じた。 無尽(金融)を興せ。土倉(質屋)を早く再開させろ。そして訴訟はすべて、貧しい庶民の訴えから先に取上げ....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
下りになって狭い沢に引き込まれる、仄かな水が何か呟きながら岩間を潜り抜けて行く、土倉谷だった。此辺までは鱒が上るそうである。少し爪先が仰いで山の鼻づらを川なりに....