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「土偶〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

土偶の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
願上候《ねがいあげたてまつりそうろう》。拙者せがれ弥七郎儀、七年このかた芝露月町土偶師|泥斎《でいさい》方に奉公まかりあり候ところ、なんの子細あってか、昨二十日....
虞美人草」より 著者:夏目漱石
らぬを、旅に馴れて徂徠《そらい》を意とせざるを、一様に束《つか》ねて、ことごとく土偶《どぐう》のごとくに遇待《もてなそ》うとする。夜《よ》こそ見えね、熾《さか》....
追憶」より 著者:芥川竜之介
家には祖父の代からお狸様というものを祀っていた。それは赤い布団にのった一対の狸の土偶だった。僕はこのお狸様にも何か恐怖を感じていた。お狸様を祀ることはどういう因....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ったに違いないのだ」 法水は相変らず衝動的な冷笑主義を発揮して、 「なるほど、土偶人形に悪魔学か――犯人は、人類の潜在批判を狙っているんだ。だが、珍しく古風な....
出家とその弟子」より 著者:倉田百三
らぬのだ。その心をまかすというのだ。帰依というのだ。陶器師は土くれをもって、一の土偶を美しく、一の土偶を醜くつくらないであろうか? 唯円 人間のねがいと運命とは....
賭博の負債」より 著者:田中貢太郎
一人に言った。 「千の金を献上する約束をしてきたが、千ありゃ、十晩の費用が出る、土偶像にくれてやるは惜しいじゃないか」 奴僕はてんでそんなことは信用していなか....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
って、とうとう訴訟沙汰にまでなりましたが、当夜の事情が判明して無事に済みました」土偶 鄭安恭が肇慶の太守となっていた時のことである。 夜番の卒が夜なかに城中....
藤棚の陰から」より 著者:寺田寅彦
に相互のからだがなじみ合い折り合って楽になる。しかし人によると妙にしゃちこばって土偶か木像のように硬直して動かないのがある。 こういう人はたぶん出世のできない....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
か見上げたものでございますな、エライものでございます」 輿論《よろん》は往々、土偶人形《でくにんぎょう》をも偉大なものに担《かつ》ぎ上げてしまいます。道庵先生....
阿亀」より 著者:豊島与志雄
んでいても、ふと眼の向いたものと機械的な会釈が交わされるだけで、みな全くの他人で土偶《でく》に等しく、球だけが生々と活躍して、あらゆるものの中心となる。それが今....
決闘」より 著者:神西清
ものだ。ところがあの男はみじめで、おどおどして、気息えんえんとして、まるでシナの土偶みたいだし、僕は……僕は憂欝なんだ。」 後ろで足音がした。ラエーフスキイが....
美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
れわれの持つ文化に直接つながる美の源泉の一つであって、同じ出土品でも所謂縄文式の土偶や土面のような、異種を感じさせるものではない。縄文式のものの持つ形式的に繁縟....
憑き物系統に関する民族的研究」より 著者:喜田貞吉
ものの様である。或いは一種の護符の類、その他守護神として肌身離さず所有する木偶・土偶の類に祈って、所謂禁厭咒詛の法によって、第三者に禍いを与えうるものだと信ぜら....
本朝変態葬礼史」より 著者:中山太郎
たも殉死のことが問題となり、詮議の結果として野見宿禰《のみのすくね》に命じて埴輪土偶を作らせ、これを陵域に立てて殉死の男女に代えることとした。しかしながら我国の....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
時に、教師に誰一人として、人間らしい顔をしたものはなかった。 多くは土色をした土偶のようなものであった。これらの人々は読み方や、算術や、習字を教える機械に雇わ....