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「土匪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

土匪の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
言うよりも急に愛嬌のない顔になった。 「たった三晩しか泊らないのか?」 「さあ、土匪《どひ》の斬罪《ざんざい》か何か見物でも出来りゃ格別だが、………」 僕はこ....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
るでしょう。」 山崎は、唇から気に喰わん笑いをこぼした。 「何だね?」 「――土匪が出たんですよ。昨日、※口の沼へ鴨打ちに行ったら、土匪がツカ/\っと、六、七....
前哨」より 著者:黒島伝治
った。そして、給料も殆んど貰っていなかった。しかし、彼等には、やはり、話にきいた土匪や馬賊の惨虐さが頭にこびりついていた。劣勢の場合には尻をまくって逃げだすが、....
故郷」より 著者:井上紅梅
たしは彼の境遇について歎息した。子供は殖えるし、飢饉年は続くし、税金は重なるし、土匪や兵隊が乱暴するし、官吏や地主がのしかかって来るし、凡ての苦しみは彼をして一....
幸福な家庭」より 著者:井上紅梅
さら盛んだ。四川、広東は? ちょうど今戦争の真最中だし、山東、河南の方は? おお土匪が人質を浚ってゆく。もし人質に取られたら、幸福な家庭はすぐに不幸な家庭になっ....
梟啼く」より 著者:杉田久女
取って大分這入らねばならなかった。困難はそこからいよいよ始まった。汽車は勿論なし土匪は至るところに蜂起しつつあった物騒な時代で、沢山な荷物とかよわい女子供許りを....
日記」より 著者:宮本百合子
て居るのだ。 五月二十日 晴 昨夕の夕刊に、外人を人質として捕えて山塞に籠った土匪と、外交団、支那政府との交渉顛末が出て居たが、なかなか問題は複雑で、劇的胚種....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
をみはって、藪の中から覗いていた。いつのまにか、土橋を中心として、約四、五十名の土匪が真っ黒にかたまっているのだった。そして、一群一群が、何やら首を寄せて凝議し....
三国志」より 著者:吉川英治
乱暴を始め出して、民家へ掠奪に奔るかもしれません。さすれば将軍の兵馬は、たちまち土匪と変じます。昨日の義軍の総帥もまた、土匪の頭目と人民から見られてしまうでしょ....
三国志」より 著者:吉川英治
弘農をさして急いだ。途上、たちまち郭と李の聯合勢とぶつかった。 彼らの軍にも、土匪山賊がまじっている、猛獣と猛獣の咬みあいだ。その惨たることは、太陽も血に黒く....
三国志」より 著者:吉川英治
関羽も物々しくうしろへ迫った。 すると※都がふり向いて、 「忠誠の鉄心、われら土匪にすら通ず、いかで天の感応なからん。――君よ、他日来たまえ。われかならず汝南....
黒田如水」より 著者:吉川英治
海浜がふくまれているため、いたるところに土豪が住み、強賊が勢力をつくり、これらの土匪を討伐していたひには、ほとんど、戦費と煩労に追われてしまい、ほかの治政は何も....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
、市民は初めて外国兵が北京に入城した事を知ったのは二十三日である。それに便乗して土匪が数百家を荒し尽したが北城は何の事もなかった。ここは日本兵が占領していたから....