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「土台〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

土台の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
来事以来一年もたたないうちに、葉子が命も名もささげてかかった新しい生活は見る見る土台から腐り出して、もう今は一陣の風さえ吹けば、さしもの高楼ももんどり打って地上....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
こういった。 「俺《お》らがも困るだ。汝《わ》れが困ると俺らが困るとは困りようが土台ちがわい。口が干上《ひあが》るんだあぞ俺《おら》がのは」 仁右衛門は突慳貪....
後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
他の人の嫌がることをなせ これがマウント・ホリヨーク・セミナリーの立った土台石であります。これが世界を感化した力ではないかと思います。他の人の嫌がること....
性急な思想」より 著者:石川啄木
心持になった際に、当然気が付かなければならないところの、今日の仕事は明日の仕事の土台であるという事――従来の定説《じょうせつ》なり習慣なりに対する反抗は取りも直....
水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
をもって多くの材料を求め走ったと聞いて、自分は更に恐怖心を高めた。 五寸|角の土台数十丁一寸|厚みの松板数十枚は時を移さず、牛舎に運ばれた。もちろん大工を呼ぶ....
春昼」より 著者:泉鏡花
仕上げた時、すっぱりと売物に出して、さて、地面を買う、店を拡げる、普請にかかる。土台が極ると、山の貸元になって、坐っていて商売が出来るようになりました、高利は貸....
金属人間」より 著者:海野十三
って、焼跡《やけあと》の四隅《よすみ》にあたるところをシャベルで掘った。下からは土台石《どだいいし》らしいものが出てきた。その角のところへ、かれは竹を一本たてた....
英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
るつもりですかね」 「えっ」 「いや、つまり、ブルートの監獄を爆撃して、あんなに土台骨からひっくりかえしてしまって、どうする気だろうということですよ」 「なに、....
火星兵団」より 著者:海野十三
い出して来る様子。 「いよいよ、おいでなすったな」 と、新田先生は、体を建物の土台の方へよせて身を守りながら、また新しいマッチに火をつけた。 (もし、変な奴だ....
転機」より 著者:伊藤野枝
がいっそう心細く迫ってくるようにさえ思われる。 蘆の疎らな泥土の中に、くるった土台の上に、今にも落ちそうに墓石が乗っているのが二つ三つ、他には土台石ばかりにな....
白い下地」より 著者:泉鏡花
走って一番これを色彩という側に取ろう、そのかわり、一寸仇ッぽい。 色は兎角白が土台になる。これに色々の色彩が施されるのだ。女の顔の色も白くなくッちゃ駄目だ。女....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
式百姓に、別荘づくりは相応わしからぬ、とついこのさきの立石在に、昔からの大庄屋が土台ごと売物に出しました、瓦ばかりも小千両、大黒柱が二抱え。平家ながら天井が、高....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
われ等は、右の人物として吸収し得る限りの、多くの知識を注入してやる。一たん知識の土台が据えられると、ここに初めて安心して、上部構造物を築くことができて来る。かく....
歯車」より 著者:芥川竜之介
「春のいる家」と称していた)が、この家の前へ通りかかると、そこにはコンクリイトの土台の上にバス・タッブが一つあるだけだった。火事――僕はすぐにこう考え、そちらを....
三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
作の店に寄っては酒を飲んだり、干魚を食たりして、少しも勘定を払わないので、それが土台になって二人はいつでも喧嘩をしました。二人は喧嘩をしたかと思うと仲直りをし、....