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土地っ子
「土地っ子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
土地っ子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
じゃなし、――何と言いますかね。Hさんは知っているでしょう。わたしなぞとは違って
土地っ子ですから。」
僕等もNさんの東京から聟《むこ》に来たことは耳にしていた....
「魚河岸」より 著者:芥川竜之介
また電燈の明るいのがこう云う場所だけに難有《ありがた》かった。露柴も、――露柴は
土地っ子だから、何も珍らしくはないらしかった。が、鳥打帽《とりうちぼう》を阿弥陀....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
す。誰かに訊けば判るでしょう。この暑いのに大勢が駈けまわる事はありません。これは
土地っ子のわっしに任せて、おまえさん達はいつもの上州屋で涼んでいて下さい」 上....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
る。そこへ来る途中、馬道《うまみち》の庄太に逢った。 「いい所で逢った。おめえは
土地っ子だ。手をかしてくれ」と、半七は云った。 「なんです」と、庄太も摺り寄って....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
であがってみて、それからの都合にしたらどうです」 「それもよかろう。ここへ来たら
土地っ子のお指図次第だ」と、半七は笑った。 大門のなかには柳と桜が栽えてあって....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
いつらの鼻ッ端をくじいてやりたいと存じます。としましても、ポッと出の私一人の力で
土地っ子の大親分とその一まきを相手に、正面から喧嘩が買えるものではございません。....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
「へえ、高山に、お雪ちゃんを食おうなんていう悪い虫がいたかえ」 「そりゃ、高山の
土地っ子じゃありませんがね、よそからの風来者なんですがね」 「若い人かい、年寄か....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
人のようではありますが、稀れに見る奇特な老人でもある。こういうお客様に対しては、
土地っ子として一肌ぬがなければならぬ。この宿の亭主が宿役へも沙汰をし、宿役からま....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ながら、語音は極めて平常に会話を交わしている―― 「ありゃ、身内のものなのです、
土地っ子ではありません、ですからこの土地へ来て農奴呼ばわりをされる籍もなければ、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
込むということの危険を予想したからである。ところが、山城生れの生粋《きっすい》の
土地っ子で根の生えたやつが、自分の味方についた。これは切っても切れない書生時代か....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
をおろして尋ねてみますと、若衆《わかいしゅ》ははにかみながら、 「へえ、これでも
土地っ子には
土地っ子ですが、少しよその方へ行って遊んで参りました」 「そうだろう....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
ものが、妙なものとして印象された。 深川の木場《きば》が、震災の幾年か前まで、
土地っ子で帽子をかぶったものが歩いていなかったように、日本橋区大門通辺では、明治....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
さましたように忙がしく鳴り出したかと思うと、なまぬるい風がすうと吹き込んで来た。
土地っ子の二人は顔を見あわせると、花吉はすぐに立って窓を閉めた。その窓硝子を叩き....
「あなたも私も」より 著者:久生十蘭
の砲門から十尺ほど下った水ぎわに、磯波がえぐった海の洞《ほら》が口をあけている。
土地っ子と組になって、この澗で泳いでいたころ、日があがって水がぬるむと、洞の口か....
「いなせな縞の初鰹」より 著者:北大路魯山人
された。土佐の叩きがそれである。しかし、土佐の叩きは、都会の美味い料理に通じない
土地っ子が、やたらに名物として宣伝したので、私の目にはグロであり、下手ものである....