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「土壌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

土壌の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
カインの末裔」より 著者:有島武郎
たくま》しい馬に、磨《と》ぎすましたプラオをつけて、畑におりたった。耡き起される土壌は適度の湿気をもって、裏返るにつれてむせるような土の香を送った。それが仁右衛....
想片」より 著者:有島武郎
くべき性質のものではないと観じていたとは考えることができない。一つの種子の生命は土壌と肥料その他唯物的の援助がなければ、一つの植物に成育することができないけれど....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
はいつでも内在的である。内発的である。一つの花から採取した月見草の種子が、同一の土壌に埋められ、同一の環境の下に生い出ても、多様多趣の形態を取って萠え出ずるとい....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
詰めてしまうと、あとには水中に溶けていた塩類と、浮遊していた固体の微粒子から成る土壌様の皮殻を残すということの経験は恐らく既に早くからあったのであろう。 この....
深夜の市長」より 著者:海野十三
天然の押入といったのが一等適切に云いあらわしているような土窟であった。壁も天然の土壌であるけれど、そこに棚のようなものを刳りぬいて、食器らしいものがゴタゴタと並....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
に被害なく、ガラスも割れなかったという。畠はやわらかいから、爆発してもその爆風は土壌の圧縮によって相当のクッションになるらしい。 ◯護国寺裏の町に爆弾が落ちて、....
今昔ばなし抱合兵団」より 著者:海野十三
どん墜とすのさ。すると爆弾は土中で爆発すると、中からA液が出て来て、それが地隙や土壌の隙間や通路などを通って、どんどん地中深く浸透してくるのさ。ちょうど砂地に大....
怪塔王」より 著者:海野十三
、おじさんにもよくわからないのだ。だがね一彦君、これは土の壁というよりも、むしろ土壌といった方が正しいのだよ」 「えっ、どじょう。どじょう――って、あの鬚のある....
裏切り」より 著者:坂口安吾
助平根性、それはみんなセラダのものでもあったわけです。そしてそのハキダメのような土壌の中から芽生えてきた日野の友情を彼は意外に早く見ぬくことができました。こうし....
方子と末起」より 著者:小栗虫太郎
に……。 方子は、口をとがらせ、うっとりと抗議を呟いた。腹んばいの、したからは土壌の息吹きが、起伏が、末起の胸のように乳首に触れる。回春も近い。方子は自分の呼吸にむっと獣臭さを感じた。....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
。アナトオル・フランスの幾巻かを成す幼年物は、晩年も晩年、老熟し切った文芸の畑の土壌に培われた作品である。おおよその人が老年になって、往事を無邪気に顧みて、ただ....
あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
をおろし、豊かな才能の実を結ぶように、十分に耕やされ、肥沃な状態におかれた精神の土壌を指すのです。俳優としての修業を積むに当って、単に、人間としての矜りを保つだ....
血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
ている塚であったが、その面に、苔だの枯れ草だの枯れ葉だのがまとい付いている上に、土壌が蔽うているので、早速には、岩とは見えなかった。塚の頂きに立っている碑には、....
「日本民族」とは何ぞや」より 著者:喜田貞吉
のである。これを総称して余輩は、「日本民族」の語を用いたい。 我が天孫民族は、土壌を譲らざる泰山が、よくその高きをなし、細流をも択ばざる河海が、よくその広きを....
融和促進」より 著者:喜田貞吉
く利用せられた態を装って、逆にこれを利用するほどの横着げがあってほしい。「泰山は土壌を譲らず、ゆえに高し、江河は細流を択ばず、故に深し」で、差別の撤廃と融解和合....