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土工
「土工〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
土工の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「トロッコ」より 著者:芥川竜之介
トロッコで土を運搬する――それが面白さに見に行ったのである。 トロッコの上には
土工が二人、土を積んだ後に佇んでいる。トロッコは山を下るのだから、人手を借りずに....
「三狂人」より 著者:大阪圭吉
うとう事実となって報告されて来た。 それは――M市の場末に近い「あづま」と呼ぶ
土工相手の銘酒屋の女将が、夜に入って、銭湯へ出掛けようとして店の縄暖簾を分けあげ....
「女侠伝」より 著者:岡本綺堂
母の柩を納めて、その上に土をかけるまでを見届けて帰ったが、塚全体を盛りあげるのは
土工に任せて、その夜のうちに仕上げたのであると答えた。シナの塚は大きく築き上げる....
「若杉裁判長」より 著者:菊池寛
三人、人だかりがしているのです。何かと思って立ち止まると、そのミルク屋の中から、
土工体の男が、立派な服装《なり》をした紳士の右の手を、縄で縛って連れ出してくるの....
「「エタ」名義考」より 著者:喜田貞吉
しこのエッタが浮浪民か何かの形で内地に遺っておって、それがだんだん里慣れて来て、
土工や掃除の為に里人に雇われる様になり、しかもなお依然エッタの名で呼ばれていたと....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
一に「※部」とも書くに至っては、一考を要するものがある。 大宝令に宮内省の被管
土工司があり、土作瓦※」の誤写で、泥部すなわち「ハセツカヒ」の「トモノミヤツコ」....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
東寺長者僧正殿 とある。これは東寺の掃除役なる散所法師を、法勝寺の
土工に使役しようとしたことについての抗議に対し、奏聞を経てさらに命じたものである....
「間人考」より 著者:喜田貞吉
栗田先生がこれをハツカシベと訓まれたのには理由がある。それは令集解職員令宮内省
土工司の条に、「泥部」を「古言波都加此之友造部である。そしてそれを古言「波都加此....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
十月四日午前四時頃其空家に火を放けたか。 答 私は放けません。私が名前の分らぬ
土工に頼んで放けさせました。其附近の開懇土地に入り込んで居た山谷部屋の
土工だった....
「蘆声」より 著者:幸田露伴
ウン、いるよ。 何をしているのだい。 毎日|亀有の方へ通って仕事している。
土工かあるいはそれに類した事をしているものと想像された。 お前のお母さんは亡く....
「蟹工船」より 著者:小林多喜二
、死んだ色の膚をしていた。 漁夫の仲間には、北海道の奥地の開墾地や、鉄道敷設の
土工部屋へ「蛸」に売られたことのあるものや、各地を食いつめた「渡り者」や、酒だけ....
「人を殺す犬」より 著者:小林多喜二
々寒い朝の呼吸のような白い煙を円くはきながら。 * その暮れ方、
土工夫らはいつものように、棒頭に守られながら現場から帰ってきた。背から受ける夕日....
「簡略自伝」より 著者:佐左木俊郎
二三を転々として、東京市水道拡張課の土木監督となり、震災と同時に失職。二カ月ほど
土工をして旅費をつくり、郷家に転がり込む。 帰郷中、妻の出産と共に、座食を抬ば....
「首を失った蜻蛉」より 著者:佐左木俊郎
よいよ》豚殺しにならなければならない運命が自分に迫っているのだ……と彼は思った。
土工になるか人夫になるか車力《しゃりき》になるか、それとも心の眼を瞑《つぶ》って....
「栗の花の咲くころ」より 著者:佐左木俊郎
使ってそう言った。 「併し、よく似た人だがなあ。」 印半纏《しるしばんてん》の
土工風の男は首を傾《かし》げながら言った。 併し、嘉三郎は、そのまま何も言わず....