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土庇
「土庇〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
土庇の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
其の刀でえいと斬るとバラリッとお母《ふくろ》の首が落ちました。随竜垣に手を掛けて
土庇《どびさし》の上へ飛上って、文治郎|鍔元《つばもと》へ垂れる血《のり》を振《....
「西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝」より 著者:三遊亭円朝
て居って、棟梁の処から弁当を提げて、あなたの処へ仕事に往った時、私アあのくらいな
土庇はねえと、いまだに眼に附いています、椹の十二枚|八分足で、大したものだ、いま....
「二人いるとき」より 著者:宮本百合子
、取次いだ若い女は、 「おそれいりますが少々おまち下さいませ」と引下って行った。
土庇が出ている茶がかった客間なので、庭の梧桐《あおぎり》の太い根元にその根をから....
「二つの庭」より 著者:宮本百合子
があり、美男かつらがからんで、そこにも艶々した新しい葉がふいている。茶室づくりの
土庇を斜にかすめて黄櫨《はじ》の樹が屋根の方へ高くのびている。 庭下駄の上へ、....
「我に叛く」より 著者:宮本百合子
侶であった古びた狭い前栽が、また、閑寂な陽春の美に充ち満ちて目の前に還って来た。
土庇に遮られて柔かい日光を受け、朝夕は、しめった土の匂を感じ、嘗て知ったあの落付....
「青春」より 著者:宮本百合子
をよんだことだろう。 家ではその時分、玄関わきの小部屋が私の部屋になっていた。
土庇の深く出た部屋で、その庭には槇と紫陽花と赤い絹糸の総をかけたような芽をふく楓....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
だんの植木屋に近づくなり、
「無礼者っ!」
と一喝。植木屋、へたばって、そこの
土庇《どびさし》に手をついてしまうかと思いのほか、
「あっはっは、大飯食らいの大....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ホテリがきつくて苦しいから。ここは古風な座敷ですが、よく風が通るし、茶室のような
土庇が長くて日光が直射しませんから。
アラ、どうしたのかしら、カンカン日が照っ....
「つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
「蒸し蒸しするわねえ。」と君江はいざりながら手を伸《のば》して障子を明けると、
土庇《どびさし》の外の小庭に燈籠《とうろう》の灯《ひ》が見えた。 「あら、いいわ....