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土煙
「土煙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
土煙の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
どこからともなく寄せて来る大震動の波に揺られて居りましたが、やっとその庇の下から
土煙の中へ這い出して見ますと、目の前にあるのは私の家の屋根で、しかも瓦の間に草の....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
。目の前に聳えた松樹山の山腹にも、李家屯《りかとん》の我海軍砲は、幾たびか黄色い
土煙《つちけむり》を揚げた。その
土煙の舞い上《あが》る合間《あいま》に、薄紫の光....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
来を、急ぐでもなく、ブラブラと歩き出した。大通りに出てみると、避難民や、軍隊が、
土煙をあげて、はげしく往来していた。 青年は、駿河台下の方へ、下って行った。そ....
「蠅男」より 著者:海野十三
もってたまるべき、横転した自動車は弾みをくらって、毬のようにポンポン弾みながら、
土煙と共に転げ落ちていった。そして遂に下まで届くと、くしゃと潰れてしまった。帆村....
「海底大陸」より 著者:海野十三
教室のあとから、ぎいぎいと怪音が聞こえると思っているうちに、その煉瓦の山が、また
土煙をあげて、どっとくずれなおした。 すると、その中から、のそのそとはいだして....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
かく、ぴしぴし枝を折りながら樹洞のほうへやってくる。やがて、えらい音がしてどっと
土煙があがりました。しめた、生きたゴリラなら十万ドルもんだと、さっと土人と一緒に....
「海底都市」より 著者:海野十三
のあとに、直径二百メートルほどの大穴があいた。その底はどのへんになっているのか、
土煙のために見えなかった。 トロ族の叫び。僕のまわりから、また
土煙のたちのぼる....
「ふしぎ国探検」より 著者:海野十三
ああ、いけねえ、早くにげろ」 ものすごい音響、つづいて、天地もくらくなるほどの
土煙。東助はおどろいて、ヒトミの手をとってにげだした。 「どうしたんでしょうね、....
「超人間X号」より 著者:海野十三
引っかえそう」 その時である。道の三百メートルばかり向こうで、ぱーッと物すごい
土煙《つちけむり》があがった。 「さあ、ピカドンだぞ」 検事も、署長も、警官隊....
「地球要塞」より 著者:海野十三
いに、海底に突きこんだ。乾泥が、高速度映画のように、海水の中に、緩《ゆるや》かな
土煙をたてる。千切れた海草が、ふらふらと舞い上っていくのが、爆風で跳ねあげられた....
「時限爆弾奇譚」より 著者:海野十三
一大音響をたててとうとう横たおしにたおれてしまい、地上は忽ち阿鼻叫喚の巷と化し、
土煙と火焔とが、やがて租界をおし包んでしまったこと、そして礎石の爆発よりホテルの....
「宇宙の迷子」より 著者:海野十三
うんと遠くまでとんでやろう」 ポコちゃんはまた強く大地をけった。 樹海に
土煙り そんなことを十四五回くりかえしているうちに、川上と教授は、ジャンガラ星....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
景が、起るだろうと予想していた者は、あてがはずれた。「魔の空間」は、すこしばかり
土煙をあげ、二三度|弾んだだけで、あとは丸パンを置いたように、ふくらんだ上部はそ....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
その直後のことだった。大地を掘りかえすような物凄い音響と鳴動とに続き、嵐のような
土煙のなかに、彼の身体は包まれてしまった。彼は生きた心地もなく、石油の空き缶を頭....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
は手練の角太郎であった。 音! 鏘然、つづいて悲鳴! 捲き落とされた脇差が、
土煙立つ街道に落ち、肩を割られた角太郎が、足を空ざまに宙に上げ、 「切られた――....