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土用波
「土用波〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
土用波の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「溺れかけた兄妹」より 著者:有島武郎
土用波《どようなみ》という高い波が風もないのに海岸に打寄《うちよ》せる頃《ころ》....
「栄螺」より 著者:田畑修一郎
砂地だと浪のゆらめきにつれていくつもの細い光りの皺が下できらめく。 日本海では
土用波はない。しかし、沖が荒れているときにはかなり浪が高くなる。こういうときはあ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
字通りに走って来た放れ馬の奴が、不意に乗返して来たものですから、その当座の米友は
土用波の返しを喰ったように驚いたが、その辺はまた心得たもので、 「よし来た!」 ....
「夏」より 著者:寺田寅彦
行ったときの話である。塩釜から小さな汽船に乗って美しい女学生の一行と乗合せたが、
土用波にひどく揺られてへとへとに酔ってしまって、仙台で買って来たチョコレートをす....
「夕凪と夕風」より 著者:寺田寅彦
の海鳴りを聞いた。海抜二百メートルくらいの山脈をへだてて三里もさきの海浜を轟かす
土用波の音が山を越えて響いてくるのである。その重苦しい何かしら凶事を予感させるよ....
「現代美学の危機と映画理論」より 著者:中井正一
る。しかし、決して常に現実は空白ではあり得ない。かえってそれは、さかまきどよもす
土用波のように、波の穂を走らせながら、理論の前にそびえ立っている。ただ、理論が、....
「あなたも私も」より 著者:久生十蘭
しまった。 なにをして、どう遊べというのか。犬と漁師の子供では、話にならない。
土用波くらいは平気だが、海いちめんのクラゲでは、足を入れる気にもなれない。 こ....
「肌の匂い」より 著者:三好十郎
ブルブルふるえます。べつに暴風では無いのです。ここの海岸に打ち寄せる波は、今頃(
土用波と言うそうですが)の季節では、いつもこうだそうです。普通の概念での「波の音....