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土盛
「土盛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
土盛の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
ると、件の女性は、遠い処の妓楼から脱け出して来た妓女らしく、春装を取り乱したまま
土盛りの上にヒレ伏して『あなたは何故に妾を振り棄てて死んだのですか』と掻き口説く....
「骸骨の黒穂」より 著者:夢野久作
て仮埋葬にしておいたので御座いますが、その埋めました翌る日から、女の死骸を埋めた
土盛りの上には色々な花の束が、山のように盛上って、綺麗な水を張った茶碗などが置い....
「戦場」より 著者:夢野久作
遠くなりかけて来た時にヤット全部の診察、研究が終ると、大佐は私を些し離れた小高い
土盛の上に連れて行って、軍刀をグット背後に廻した。両耳の蔽いを取って自分の顔を、....
「或る素描」より 著者:豊島与志雄
いてみたり、再び植えつけてみたり、それから庭の隅に穴を掘って、その土で或る部分に
土盛りをし、足で丹念に踏み固めたりして、今すぐだというその仕事が、永遠に終りそう....
「樹を愛する心」より 著者:豊島与志雄
頭を振る。それが、崖の中途にしがみついている。 それらの樹木のために、私は崖の
土盛りを考えた。崖の高さ四五間ほどもあろうか。然し、きり立った崖でなく、崖先に余....
「或る日の対話」より 著者:豊島与志雄
それと同様なことが、見られるじゃないか。殆んど収穫の見込みもないちっぽけな菜園の
土盛り、防空壕の埋め跡の凸凹、そんなのはまあいいとして、瀬戸物の破片や、焼けトタ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
、「私の戦場は形が変えられてしまった。」今日|獅子《しし》の像の立っている大きな
土盛りのある場所には、その当時一つの丘があってニヴェルの道の方へは上れるくらいの....
「天狗笑」より 著者:豊島与志雄
子供たちはいつものように、一しょにあつまって、村のうしろの森のはずれの原っぱで、
土盛《つちも》りをしたり輪投げをしたりして遊んでいましたが、それにもあきてくると....
「女侠伝」より 著者:岡本綺堂
らいの事は考えるよ。県令もそこに気がついたから、さらに王にむかって、おまえは墓の
土盛りの全部済むのを見届けて帰ったかと訊問すると、母の柩を納めて、その上に土をか....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
の大箱をおさめる。 そのまわりを数万坪の雪でかこい、雪の上に筵を厚くかけて高く
土盛りをする。こうして春を過し、六月朔日、土用のさなかに穴をひらき、まわりの雪を....
「褐色の求道」より 著者:岡本かの子
。噂ほどにもない小さな建物で、町|外れの人家の中に在った。流石に其処だけは自然に
土盛りが高くなっていて、多少の景勝の地は占めている。その隆起の峯続きを利用して寺....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
より負かりません」 「高いなあ。すこし、べら棒じゃないか」 「どういたしまして、
土盛りの人足賃だって、安かあございません。――それにサ、もうこの界隈には地所はあ....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
先に立って、隣家の庭へ、案内した。 井戸は、なかった。 あったという、新しい
土盛りの上に、 “狂女お燕之碑” と、朱書した小さい石が、ただ一つ、載せてある....