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「土管〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

土管の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
窮死」より 著者:国木田独歩
土方をかせいでいたのである。弁公は堀《ほり》を埋める組、親父《おやじ》は下水用の土管を埋めるための深いみぞを掘る組。それでこの日は親父はみぞを掘っていると、午後....
冬の日」より 著者:梶井基次郎
落ちた痰は水をかけても離れない。堯《たかし》は金魚の仔でもつまむようにしてそれを土管の口へ持って行くのである。彼は血の痰を見てももうなんの刺戟《しげき》でもなく....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
》の逸出《いっしゅつ》するのには三つの行路がある。彼れらがもしどぶ鼠であるならば土管を沿うて流しから、へっついの裏手へ廻るに相違ない。その時は火消壺の影に隠れて....
岩石の間」より 著者:島崎藤村
廻って来ないことはあっても、先生の姿を見ない日は稀《まれ》だった。そして、そこに土管が伏せられるとか、ここに石垣の石が運ばれるとか、何かしらずつ変ったものが先生....
創生記」より 著者:太宰治
だけは疑わず、いたる所、生命かけての誠実ひれきし、訴えても、ただ、一路ルンペンの土管の生活にまで落ちてしまって、眼をぱちくり、三日三晩ねむらず考えてやっと判った....
写生紀行」より 著者:寺田寅彦
いるすぐそばには新しい木の香のする材木が積んであった。また少し離れた所には大きな土管がいくつも砂利の上にころがしてあった。私がそこへ来る前から、中学の一年か二年....
四次元漂流」より 著者:海野十三
もやすと煙が二条になってでてくるところから考えて、あの煙突の上は、あまり太くない土管が二つ平行に煙の道をあけているのに違いない。そうだとすれば、その土管は鼠か猫....
火星兵団」より 著者:海野十三
相手というのは、何者であったろうか。とにかくそれは、手ざわりだけでは、苔がはえた土管のような気がした。生き物のようではなかった。 まったく妙な手ざわりである。....
死ね!」より 著者:豊島与志雄
、下水工事の掘り返されてるのがあって、街路の片側に、コンクリートで出来てる大きな土管が転っていた。ばかに大きくて丸い。私はそれに気を惹かれて、ステッキの先でつつ....
絶縁体」より 著者:豊島与志雄
い衆議はまとまりかけた。表の大きな街路には下水道が完成していたから、それに通ずる土管を地下に設ければよかった。一区劃といっても、二十戸ばかりのもので、そして小さ....
山上湖」より 著者:豊島与志雄
ょろ流れている。この僅かな水流にまで、鱒はさか上ってくることがある。湖水にそそぐ土管をくぐり、瀬を跳ねあがり、窪み窪みを辿って、浅いところは背中を半ば出して砂上....
教育映画について」より 著者:寺田寅彦
路を示すのを見たが、これなどでも消化器というものの本質には少しも触れないで、ただ土管のつながりのようなものとしか思われないように出来ていた。勿論これらはほんの素....
泡盛物語」より 著者:佐藤垢石
ので、あば辰と樺太と私と三人で出かけて行った。 この風呂屋の湯尻は、直径一尺の土管を通して、道路に沿った掘割に注いでいるのであるが途中になに物か滞って不通とな....
濹東綺譚」より 著者:永井荷風
の水に沿うた片側町で、対岸は石垣の上に立続く人家の背面に限られ、此方《こなた》は土管、地瓦《ちがわら》、川土、材木などの問屋が人家の間に稍《やや》広い店口を示し....
世間師」より 著者:小栗風葉
足元にあった古下駄を貸してくれた。口数が少なくテキパキしたものだ。 宿の横の、土管焼の井筒が半分往来へ跨がった井戸傍で、私はそこに投りだしたブリキの金盥へ竿釣....