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土色
「土色〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
土色の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人間灰」より 著者:海野十三
二人の人物が入ってきた。 「やあ、これはどうも……」 と、先に立った頤髭のある
土色の顔に部厚の近眼鏡をかけた小男が奇声でもって挨拶をした。それは工場主である理....
「蠅」より 著者:海野十三
かけようとすると扉の方でひとりでパッと開いた。――その向こうには、助手の理学士の
土色の顔があった。しかも白い実験衣の肩先がひどく破れて、真赤な血潮が見る見る大き....
「蠅男」より 著者:海野十三
驚かせたくないという心づかいであったに違いない。 怪物蠅男は、見るもいまわしい
土色の面に悪鬼のような炯炯たる眼を光らかし、激しき息づかいをしながら、部屋の隅か....
「幽霊妻」より 著者:大阪圭吉
になったらしくカッとお開きになったまま、お眼玉が半分ほども飛び出して、お顔の色が
土色に変わっているではございませんか。見渡せば、お部屋の中は大変な有様で、旦那様....
「デパートの絞刑吏」より 著者:大阪圭吉
結した赤黒い血痕に依って物凄く色彩られていた。頸部には荒々しい絞殺の瘡痕が見え、
土色に変色した局部の皮膚は所々破れて少量の出血がタオル地の寝巻の襟に染み込んでい....
「続獄中記」より 著者:大杉栄
へぬうとこの男に顔を出された時には、思わずぞっとした。栄養不良らしい蒼ざめた鈍い
土色の顔を白毛まじりの灰色の濃い髯にうずめて、その中からあまり大きくもない眼をぎ....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
がブルブルとふるえているところを見ても、いかに首領がおこっているかわかるだろう。
土色になって、コンニャクのようにブルブルふるえている机博士は、首領のまえの椅子に....
「鬼仏洞事件」より 著者:海野十三
く輝いた。急に真昼のように、白光が明るさを増したのであった。人々の面色が、俄かに
土色に変ったようであった。これは天井に取付けてあった水銀灯が点灯したためであった....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
、思わず帆村の手をとった。帆村の手は氷のように冷えきっていた。帆村の顔色は悪く、
土色をしていた。そしてぶるぶると悪寒にふるえていた。 「どうした、帆村班員。報告....
「地底戦車の怪人」より 著者:海野十三
照準を定めて、引金をひいた。 たたたたン、たたたたン。 ピート一等兵の顔が、
土色になった。 こんどは味方の一番機の翼を、うちくだいてしまったのである。マッ....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
早く家の下敷になった人間を引張りださないと、焼け死んでしまうぜ」 誰も彼もが、
土色の顔をして、右往左往していた。悲鳴と叫喚とが、ひっきりなしに聞えてきた。大き....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
が、また遅いと言えばずいぶん遅くもある。妙なものだ。 窓ガラスに映る痩せこけた
土色の異形の姿を見ては、自分ながら多少驚かれもするが、さりとてどこと言ってからだ....
「野のはくちょう」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
れをみると、こんどはエリーザのからだをくるみの汁でこすりました。それはこの王女を
土色によごすためでした。そうして顔にいやなにおいのする油をぬって、うつくしい髪の....
「余齢初旅」より 著者:上村松園
ど変っていた。第一、太湖石は素晴しく大きなものである。それに真物は絵とちがって黄
土色を呈しているのである。 獅子林は真中が池である。裏手の方に門があり、太湖石....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
に達す。これ、豪州東北隅クイーンズランド州なり。両岸に蟻の巣の塔形をなすもの、赤
土色を呈して林立せるを見る。その最も大なるは、高さ三丈、周囲二丈二、三尺に達する....