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土蜂
「土蜂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
土蜂の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
て、その例外に太い握り飯にありつくのであった。 彼らはこうして、ダンブルの中で
土蜂《どばち》のような作業に従って、窒息しそうな苦痛をなめている時に、その境涯を....
「言語と道具」より 著者:寺田寅彦
具を使うという事が、人間以外にもあるという人がある。蜘蛛が網を張ったり、ある種の
土蜂が小石をもって地面をつき堅めるのがそれだという。しかしそれは智恵でするのでは....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
斬る? ……それが本気ならおまえは人間の子ではない。こんな曠野の一ツ家に、野鼠か
土蜂のように育った子にせよ、親とは何かぐらいなことは、自然分っていなければならな....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
出して行った。 「――あっ、こいつ」 城太郎もすぐそれを追う。 草の彼方に、
土蜂の巣をならべたような藁屋根が幾つか見える。野火止の部落であった。 この部落....
「三国志」より 著者:吉川英治
騒ぎ始めた。 いなごの襲来と伝わると、百姓は茫然、泣き悲しんで、鋤鍬も投げて、
土蜂の巣みたいな土小屋へ逃げこみ、 「ああ。しかたがない」 絶望と諦めの呻きを....
「三国志」より 著者:吉川英治
土に耕し、その戦々兢々たるもとに子を生み、流亡も離合も苦楽もまたすべての生計も、
土蜂の如く戦禍のうちに営んできた。 わけて後漢の三国対立は、支那全土を挙げて戦....