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土製
「土製〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
土製の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新生」より 著者:島崎藤村
う行火《あんか》かね」
と岸本は節子に言いかけて、子供の部屋の方に温めて置いた
土製の行火を見に行った。それを自分の部屋まで引いて来て、北向の障子の側に置いた。....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
次これを見ることである。 丑べにで思出したは、この頃でも時々、この日の紅買いに
土製木彫りなんどの臥牛を景物とする店、昔のように残れることで、これも江戸趣味の、....
「自由画稿」より 著者:寺田寅彦
それから少しきたない話ではあるが、昔|田舎《いなか》の家には普通に見られた三和
土製《たたきせい》円筒形の小便壺《しょうべんつぼ》の内側の壁に尿の塩分が晶出して....
「机の上のもの」より 著者:宮本百合子
たくないと思ってつかっている。 琉球のある女のひとがくれた一対の小さい岱赭色の
土製の唐獅子が、紺色の硯屏の前においてある。この唐獅子は、その女のひととつき合の....
「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」より 著者:ホーソーンナサニエル
スがすぐさま大きな土焼の瓶を取り上げて(しかし、ああ! それも彼がさわったらもう
土製ではなくなりました)、川へ急いだことはすぐ君達にも分るでしょう。彼が駆けなが....
「雪の女王」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
んこに立ってのっています。男の子は、かた手にちいさなお皿をもってるし、かた手には
土製のパイプをにぎっているので、からだをささえるために、つなにうでをまきつけてい....
「省察」より 著者:デカルトルネ
いて、極貧であるのに自分は帝王であるとか、赤裸であるのに緋衣を纒うているとか、粘
土製の頭を持っているとか、自分は全体が南瓜であるとか、硝子から出来ているとか、と....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
小太郎は、自分の脚が、二本の重い、鉄棒のように感じた。自分の手は、こわれ易い
土製のように思えた。
(明日の朝になれば、見つかって、殺されるであろう――それで....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
いた砂をしきつめてあった。 室の右方に一きゃくのテーブルがあり、テーブルの上に
土製の水さしや、大きな貝がらがあった、貝がらはさらに用いられたものらしい、赤くさ....
「我楽多玩具」より 著者:岡本綺堂
屋にも色々の面を売っていました。仮面には張子と土と木彫の三種あって、張子は一銭、
土製は二銭八厘、木彫は五銭と決っていましたが、木彫はなかなか精巧に出来ていて、槃....
「三国志」より 著者:吉川英治
作っていた。 壇の四方には、笹竹を建て、清縄をめぐらして金紙銀箋の華をつらね、
土製の白馬を贄にして天を祭り、烏牛を屠ったことにして、地神を祠った。 「やあ、お....
「幼年時代」より 著者:室生犀星
ろは見えなかった。この堂裏にはいろいろな絵馬額のコワれたのや、提灯の破れたのや、
土製の天狗の面や、お花の束や、古い埃で白くなった材木などが積まれてあった。 冷....
「こども風土記」より 著者:柳田国男
村に二ヵ所の大きな竈を粘土と小石をもって作り上げ、その上に台を置いて男女二つの粘
土製の人形を載せる。翌十五日には、ここで飯を炊き、村の若者連の踊と芝居をする組に....
「新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
牡丹でなくてはならぬとまでいわれたもので、土用の丑の日べにを売り、買った人には、
土製の粗末ながらへんに感じのいい黒い牛の玩具をくれたものであった。但し今もくれる....