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土豪
「土豪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
土豪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
ければ、一日だって過して行けなかった。そんな習慣をつけられていた。 督弁でも、
土豪劣紳でも、苦力でも、乞食でも。一号、二号、三号……というのは阿片、ヘロイン、....
「死までを語る」より 著者:直木三十五
一目上りに変えてきて、三十五で止めたのであるが――この与一兵衛は、大和国箸尾村の
土豪であった。与一という名から考えて、十一番目の子らしいが、その時分、それ程正確....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
れい》豪黠《ごうかつ》の佐々成政を熊本に封じたのは、成政が無異で有り得れば九州の
土豪等に対して成政は我が藩屏《はんぺい》となるので有り、又成政がドジを踏めば成政....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
三十七 説教が済んでこの一座が崩れて、おのおの行きたい方へ散って行くうちに、浪
土豪傑連は、裸になって庭の一隅に築いてある土俵の周囲に集まって、早くも相撲《すも....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
いうものについての勘ちがいがある。Y氏の愛する木食上人の木像は、ああいう家に住む
土豪にあって彫《きざ》まれたものではなかったのですからね。 SUが新交響楽団の....
「北京・青島・村落」より 著者:豊島与志雄
り上りの軍閥の属を指すのではない。古来支那では官吏は一流の文化人であった。地方の
土豪劣紳にも、都市の老舗にも、学府の長老にも、この文化人の後裔は多く、その伝統は....
「淪落の青春」より 著者:坂口安吾
又、御多分にもれず当家のヤッカイ者の一人なのである。 十九のとき結婚した。男は
土豪の次男坊で、東京で銀行員をしていたが、二人の生活は幸福ではなく、その原因は衣....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
観として目につきやすい。それが三つ、それぞれ何城と呼ばれて区別される。戦国時代の
土豪の拠った砦跡である。その中央にある城あとに代々の屋形があって、ちょっとした壕....
「土の中からの話」より 著者:坂口安吾
院は富み栄えて貴族時代を現出する。ところが貴族が都の花にうかれて地方管理を地方の
土豪に委任しておくうちに、荘園の実権が
土豪の手にうつって武家が興り、貴族は凋落す....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
皇までは古代説話とでも云うべく、その系譜の作者側に有利のように諸国の伝説や各地の
土豪の歴史系譜などをとりいれて自家の一族化したものだ。だから全国の豪族はみんな神....
「奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
名の後裔だとある。この系図にはもちろん疑問がないでもない。彼れあるいは本来東国の
土豪たる東人であって、系図を名家に仮托したのであるかも知れない。またその後と称す....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
大方読者はみな既に感じておられるように、清和天皇から流れ出て、頼義・義家以来東国
土豪の棟梁になった源氏の嫡孫は、田舎人になっていても貴族である。源氏・平家ともに....
「三国志」より 著者:吉川英治
た。春になった。 五台山下の部落は、まことに平和なものだった。ここには、劉恢が
土豪として、村長の役目をも兼ねているせいか、悪吏も棲まず、匪賊の害もなかった。 ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
、こんな状態が、諸州にひびいて、 「鎌倉の底力も知れたもの」 と、各地の守護、
土豪などから、覇府の軍力を疑われだして来たら、それこそは、北条治下の一亀裂である....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
ったい小寺の領内には、播州の山々や僻地の海浜がふくまれているため、いたるところに
土豪が住み、強賊が勢力をつくり、これらの土匪を討伐していたひには、ほとんど、戦費....