土間[語句情報] »
土間
「土間〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
土間の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「冬」より 著者:芥川竜之介
博奕打ちらしい男も二三人の面会人と一しょに看守のあとについて行ってしまった。僕は
土間《どま》のまん中に立ち、機械的に巻煙草に火をつけたりした。が、時間の移るにつ....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
初の目礼が私に送られたのではなかったと云う事に気がつきましたから、思わず周囲の高
土間《たかどま》を見まわして、その挨拶の相手を物色しました。するとすぐ隣の桝《ま....
「猿蟹合戦」より 著者:芥川竜之介
は話していない。
いや、話していないどころか、あたかも蟹は穴の中に、臼は台所の
土間《どま》の隅に、蜂は軒先《のきさき》の蜂の巣に、卵は籾殻《もみがら》の箱の中....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
、底気味悪い家の容子《ようす》にも頓着せず、いきなり格子戸をがらりとやると、狭い
土間に突立って、「今晩は。」と一つ怒鳴ったそうです。その声を聞いたばかりでも、誰....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
》に歯向う獣のように捨鉢《すてばち》になって彼れはのさのさと図抜けて大きな五体を
土間に運んで行った。妻はおずおずと戸を閉《し》めて戸外に立っていた、赤坊の泣くの....
「火事とポチ」より 著者:有島武郎
なんにもいわないで、すぐ上がり口に行った。そこは真暗《まっくら》だった。はだしで
土間《どま》に飛びおりて、かけがねをはずして戸をあけることができた。すぐ飛び出そ....
「星座」より 著者:有島武郎
も留守にしていた俺がいとしくって手放しかねるようだが、何一つ口を出さない。そして
土間の隅で洗いものなどをしながら、鼻水を盥《たらい》に垂らして、大急ぎですすり上....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
務室の障子をあけて、二畳敷きほどもある大囲炉裏の切られた台所に出て見ると、そこの
土間に、一人の男がまだ靴も脱がずに突っ立っていた。農場の男も、その男にふさわしく....
「親子」より 著者:有島武郎
てしまった。小作人たちはあわてて立ち上がるなり、草鞋のままの足を炉ばたから抜いて
土間に下り立つと、うやうやしく彼に向かって腰を曲げた。 「若い且那、今度はまあ御....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
、釜から吹出す湯気の裏へすっきりと、出たのを一目、驚いた顔をしたのは、帳場の端に
土間を跨いで、腰掛けながら、うっかり聞惚れていた亭主で、紺の筒袖にめくら縞の前垂....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
「え、安達ヶ原ですか。」 と聞く方が慌てている。 「いいえ爺さんですがね、一人
土間で草鞋を造っていましてね。何だ、誰じゃいッて喚くんです。」 「いや、それは恐....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
三国誌|常套手段の、城門に敵を詭く計略。そこは先生、武辺者だから、身構えしつつ、
土間|取附の急な階子段を屹と仰いで、大音に、 「頼もう!」 人の気勢もない。 ....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
に応えて重い。 「お燗を直しましょうでござりますか。」 顔を覗き込むがごとくに
土間に立った、物腰のしとやかな、婆々は、客の胸のあたりへその白髪頭を差出したので....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
べた、屋根は茅ぶきの、且つ破れ、且つ古びて、幾秋の月や映し、雨や漏りけん。入口の
土間なんど、いにしえの沼の干かたまったをそのままらしい。廂は縦に、壁は横に、今も....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
す。かなり高い。二回で半ギニー(十円五十銭)位であったと思う。一回分が丁度芝居の
土間位の金高である。 ファラデーが助手となって、六個月ばかり経つと、ファラデー....