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「土龍〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

土龍の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
未来の地下戦車長」より 著者:海野十三
もちろん岡部伍長は、ねむられなかった。 「ええと、どうしてやるかな。形は、どうも土龍式《もぐらしき》がいいと思うのだが……」 もぐらの鼻の代りに、円錐形《えん....
」より 著者:岡本綺堂
町内に同名の寺が二つある。それを区別するために、一方を天台龍宝寺といい、一方を浄土龍宝寺と呼んでいるが、鯉の一件は天台龍宝寺で、この鯉塚は明治以後どうなったか、....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
六日の後、村民の斎に呼ばれて、寺中の僧は朝からみな出てゆくと、その留守の間にかの土龍の姿が見えなくなったので、人びとはまた驚かされた。 「たとい土で作った物でも....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
んだ。 「何、賊だ。」と、人々は眼を皿にして衾の周囲にどやどやと集った。重太郎は土龍のように衾の下で蠢くのであった。が、彼も流石に考えた。斯る始末となって多勢に....
猿飛佐助」より 著者:織田作之助
……」 「秘策というと……?」 「松明仕掛けの睡り薬で参らすんだ。その作り方は、土龍、井守、蝮蛇の血に、天鼠、百足、白檀、丁香、水銀郎の細末をまぜて……」 そ....
レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
も、私は決して貴女をおさげすみ申すようなことは致しませぬ。(間)恋には天津乙女も土龍の穴まで下り、女王が蛇の窟へ忍んで行ったではござりませぬか。――そのような取....
あめんちあ」より 著者:富ノ沢麟太郎
…金……金……」 彼は胸のうちで呟《つぶや》いて、後ろを振り返ってみた。警官の土龍《もぐら》のような眼は、突き出る首とともに彼の後姿を追うていた。彼は自分が踏....
東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
、平素殺生戒を守ろうと念篤かったものと見え、明応六年の五月、薬用のために、庭上で土龍《もぐら》を捉えてこれを殺した時、やむを得ぬとはいえ、慚愧の念に堪えないと記....
犠牲者」より 著者:平林初之輔
》と電灯の光のてらしている大きな西洋室へつれて行った。 今村は、日光をおそれる土龍《もぐら》のように、明るい部屋へ出るのが気まりがわるかった。彼は、数時間前か....
禰宜様宮田」より 著者:宮本百合子
も収穫を得なければ大変になる。 全く強制的に彼は朝起きるとから日が落ちるまで、土龍《もぐら》のように働かなければならなかったのである。 禰宜様宮田は、ほんと....
年中行事覚書」より 著者:柳田国男
日をトオカンヤといい、この夜は子供等|藁にて太き繩をこしらえ、地面を打ちまわる。土龍除の呪法だという。その歌の文句は、 とおかんや、いいもんだ、朝そばきりに昼だ....
十姉妹」より 著者:山本勝治
権利なんかあらへんぞ」 後に、白けた沈黙が深かった。 慎作は、坑道を見失った土龍の様な父が、最後に頼ろうとする飼鳥を、理性一点ばりで拒否する自分が非常に冷酷....
三国志」より 著者:吉川英治
、この頃は、無口であった。 あわれな卒伍は、まだ洛陽の温かい菜の味も知らない。土龍のように、鉄門の蔭に、かがまっていた。 張飛も黙然と、水ばなをすすっては、....
三国志」より 著者:吉川英治
法を案出して、曹操を脅かした。 掘子軍というものを編成したのである。 これは土龍のように、地の底を掘りぬいて、地下道をすすみ敵前へ攻め出るという戦法である。....
三国志」より 著者:吉川英治
の油断を見せたり、弱兵を前に立てたり、日々工夫して、釣りだしを策してみたが、呉は土龍のように、依然として陣地から一歩も出てこなかった。 一木の日陰もない曠野だ....