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「圧服〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

圧服の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
船医の立場」より 著者:菊池寛
ぜん》と笑ってみせた。ローマ人カトーを凌《しの》ぐような克己的な態度がワトソンを圧服した。ワトソンは木柵を掴《つか》んでいる自分の手が、ある畏怖《いふ》のために....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
えるとも分らぬ火災を傍観しているばかりでも済ましていられず遂《つい》に防火服や防圧服に身を固め、船腹の一部へ突進して溶接器で穴を穿《うが》ち、たちまち噴き出す火....
食魔」より 著者:岡本かの子
てが自分に対する侮蔑に感じられてならない鼈四郎は、どんな手段を採ってもこの夫人を圧服し、自分を認めさそうと決心した。彼は、檜垣の主人を語って、この画家夫妻の帰り....
川中島合戦」より 著者:菊池寛
信の父|為景に及んで国内を圧した。為景死し、兄晴景継いだが、病弱で国内の群雄すら圧服することが出来ないので、弟謙信わずかに十四歳にして戦陣に出で、十九歳にして長....
火星兵団」より 著者:海野十三
い窓に、一つの奇妙な顔がのぞいている。それは、丸木のほんとうの顔だった。つまり耐圧服をぬいで、素顔をみせているのであった。奇妙な火星人の顔であった。 眼は大き....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
自己の断定を押しつけてしまわねば満足できない、そこで居合わせたお雪ちゃんを、その圧服の助手に使おうとして、自説に保証を要求するような圧力ですから、教えを乞うにし....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ゃない、金力があろうとも、弁力があろうとも、その人にそれだけの力がなけりゃ、人を圧服することはできやせん、正直に言えば我々は、お銀様という女に圧倒されてしまって....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
って、じたばたして悲鳴をあげる醜態、見られたものではありません。一方、傲然として圧服的にのしかかる女王様――閑寂なる秋の夜が、人間性の争闘の血みどろな戦場に変り....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
浅吉は、羨《うらや》ましくなりました。そこで勢い浅吉は、一人の後家さんから完全に圧服されてしまって、グウの音も出ない自分というものの意気地無さかげんに、軽少なが....
富岡先生」より 著者:国木田独歩
|氏、その一人はその経歴が造った富岡先生。そして富岡先生は常に猛烈に常に富岡氏を圧服するに慣れている、その結果として富岡氏が希望し承認し或は飛びつきたい程に望ん....
やもり物語」より 著者:寺田寅彦
もこの頃の事である。自分のような身も心も弱い人間は、孟夏を迎うる強烈な自然の力に圧服されてひとりでにこんな心持になるのかと考えた事もある。こんな厭な時候に、ただ....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
うしてそれをしなかったのか自分でもわからなかった。しかしクリストフの威厳に彼女は圧服されていた。――彼女はやり直した。一連の歌曲《リード》をことごとく、一つの表....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
の草本威風に偃す 驕将敗を取るは車戦に由る 赤壁名と成すは火攻の為めなり 強隣を圧服する果して何の術ぞ 工夫ただ英雄を攪るに在り 『八犬伝』を読む....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
から、人間に対して別に親切でも冷酷でもありません。いわゆる自然律です。この事実に圧服されて押し流される人たちは、この「因縁果」を恐ろしい、また苛酷なものと思うで....
建国の事情と万世一系の思想」より 著者:津田左右吉
しかし事実としては、皇室は高いところから民衆を見おろして、また権力を以て、それを圧服しようとせられたことは、長い歴史の上において一度もなかった。いいかえると、実....