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圧死
「圧死〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
圧死の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「さようなら」より 著者:田中英光
ぼくの家は半潰で済んだが、近所には全潰、赤ちゃんを抱いたまま、ぼくの友人の母親が
圧死するなぞ、夥《おび》ただしい死者が出て、大揺れの済んだ後、長兄は近くの男たち....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
なるらしい。 ◯護国寺裏の町に爆弾が落ちて、壕内に入れておいた二歳と五歳の幼児が
圧死し、母親は見張中であって助かった由。壕が家屋に近いことは不可。壕の屋根がしっ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
自分らの説を改めるようになった。そこへ安政の大地震が来た。一藩の指導者は二人とも
圧死を遂げた。御隠居は一時に両つの翼を失ったけれども、その老いた精神はますます明....
「映画の世界像」より 著者:寺田寅彦
えるものが墜落して来て、その下敷きになって一人の人間が隠れればその人はほんとうに
圧死したものと考えられるのである。それは影に質量がなく従って運動量のないことを忘....
「災難雑考」より 著者:寺田寅彦
到底不可能であるので、そのおかげで台湾島民は烈震が来れば必ずつぶれて、つぶれれば
圧死する確率のきわめて大きいような泥土の家に安住していたわけである。それでこの際....
「大震火災記」より 著者:鈴木三重吉
にいずれもおけがもなくておすみになりましたが、鎌倉では山階宮妃佐紀子女王殿下が御
圧死になり、閑院宮寛子女王殿下が小田原の御用邸の倒かい沼で、それぞれ御惨死なされ....
「死体の匂い」より 著者:田中貢太郎
火は警視庁を焼き、帝劇を焼き、日本橋、京橋、浅草を焼き、本所深川を一舐めにして、
圧死者の上へ無数の焼死者を出したという恐ろしい噂がきれぎれに耳へ入った。その火に....
「日本天変地異記」より 著者:田中貢太郎
しかった。元慶元年四月の地震には、京中を垣墻悉く破壊し、宮中の内膳司屋顛倒して、
圧死者を出した。陰陽寮で占わすと東西に兵乱の兆があると奏した。天慶は将門純友の東....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
わめて深かったので、マティユー・ニケーズという百姓が一七八三年に土手くずれのため
圧死したほどである。も一つの石の十字架にやはりそのことがしるしてあった。しかしそ....
「牛乳と馬」より 著者:豊島与志雄
人ばかりひとかたまりになって行進していると、その銃剣の穂に大きな雷が落ちて、全員
圧死してしまったこともあるとか。また時には、その中の一人だけに雷が落ちて、側の者....
「わが戦争に対処せる工夫の数々」より 著者:坂口安吾
私がこゝまで落ちぶれたのも仕方がない。近所へ落ちた爆弾のために防空壕の七人が
圧死したことがある。見渡す焼野原にも雑草が生えかけた頃で、もう人間の死んだのなど....
「深見夫人の死」より 著者:岡本綺堂
あった。 しかし、かの桐沢氏は、その当時あたかも鎌倉の別荘に在った為に、無残の
圧死を遂げたという。わたしは桐沢氏と直接の交渉もなく、従来一面識もないのであるが....
「坑鬼」より 著者:大阪圭吉
立山坑の地上事務所と札幌の本社へ、海水浸入の悲報を齎した。続いて狭い竪坑の出口で
圧死者などの出ないように、最も統制のとれた避難準備にとりかかった。 一方菊池技....
「火と氷のシャスタ山」より 著者:小島烏水
人であった神田憲君の霊前に献げる。同君は、その後帰朝して、過般の大震災で、鎌倉で
圧死の不幸に遭われた、他の二人は、野坂滋明君と国府精一君とである、今は米国と日本に別れていて、共に健在である。....
「融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
ることもそう急には運びません。急設のバラックもああはできますまい。幸いにして焼死
圧死を免れたものも、喰うに食なく、着るに衣なく、住むに家がないという大騒ぎで、無....