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「在す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

在すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
疑惑」より 著者:芥川竜之介
《あいだ》かれこれ一週間ばかり、岐阜県《ぎふけん》下の大垣町《おおがきまち》へ滞在する事になった。元来地方有志なるものの難有《ありがた》迷惑な厚遇に辟易《へきえ....
河童」より 著者:芥川竜之介
話す前にちょっと河童というものを説明しておかなければなりません。河童はいまだに実在するかどうかも疑問になっている動物です。が、それは僕自身が彼らの間に住んでいた....
松江印象記」より 著者:芥川竜之介
質を有しているからである。このゆえに自分はひとり天主閣にとどまらず松江の市内に散在する多くの神社と梵刹《ぼんさつ》とを愛するとともに(ことに月照寺における松平家....
」より 著者:芥川竜之介
えた。時としては、海から聞えた。そうしてまた更に時としては、その山と海との間に散在する、苫屋《とまや》の屋根の上からさえ聞えた。そればかりではない。最後には汐汲....
或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
とか、近代的盗賊とか、近代的|白髪染《しらがぞ》めとか――そう云うものは確かに存在するでしょう。しかしどうも恋愛だけはイザナギイザナミの昔以来余り変らないように....
路上」より 著者:芥川竜之介
りたいと云うんじゃない。向うのために、女のために、そうしてやるべき一種の義務が存在するような気がするんだ。君は矛盾《むじゅん》だと思うだろう。矛盾もまた甚しいと....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
て、のそのそ砂の上を歩き出した。 その間にほかの若者たちは、河原《かわら》に散在する巌石《がんせき》を持上げ合う遊戯《ゆうぎ》を始めていた。岩は牛ほどの大きさ....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
運動の方則のもとに、絶えず循環しているのである。そう云うことを考えると、天上に散在する無数の星にも多少の同情を禁じ得ない。いや、明滅する星の光は我我と同じ感情を....
想片」より 著者:有島武郎
っているがゆえにブルジョアジーとかプロレタリアートとかを超越したところに芸術は存在すべきである。けれども私は衝動がそのまま芸術の萌芽《ほうが》であるといったこと....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
には、この生物はかえって死物のように思いなされる。ましてや平原のところどころに散在する百姓家などは、山が人に与える生命の感じにくらべれば、惨めな幾個かの無機物に....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
私自身を点に等しいと思う。永劫の前に立つ私は何ものでもないだろう。それでも点が存在する如く私もまた永劫の中に存在する。私は点となって生れ出た。そして瞬く中に跡形....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
竜宮界のみを竜神の世界と思うのは大きな間違で、竜神の働く世界は、他に限りもなく存在するのである。が、しかし神々にとりて何よりもうれしいのは矢張りあの竜宮界である....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
ある。われ等は彼等に対して、永遠の戦を交えつつある。 問『さまで有力なる魔群の存在することは、意外の感に堪えない。世に悪の存在を否定する論者もあるではなきか?』....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
るのだのと同様だと考えついて、 「空気中における感応は、ある線に沿うてを有して存在する。金属は導体なるがために、かかる状態を保持することが出来ない」と書いた。 ....
狂人日記」より 著者:秋田滋
うか。つくること、滅すこと、この二つの言葉は、この世界のあらゆるものの経歴を、存在するすべてのものを含んでいる。殺すということは、なぜ、人の心を酔わせるのだろう....