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在り
「在り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
在りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
てき》な憂鬱に襲われ易かった。彼女は犬の事ばかりか、未《いまだ》にわからない男の
在りかや、どうかすると顔さえ知らない、牧野《まきの》の妻の身の上までも、いろいろ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
さあ、飲めってえ、と、三人で遣りかけましたが、景気づいたから手明きの挽子どもを
在りったけ呼で来た。薄暗い台所を覗く奴あ、音羽から来る八百屋だって。こっちへ上れ....
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
渠は唇頭に嘲笑したりき。 二 相本謙三郎はただ一人清川の書斎に
在り。当所もなく室の一方を見詰めたるまま、黙然として物思えり。渠が書斎の椽前には....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
らはその島屋の饅頭といって街道名代の名物でございます。」 十一 「
在り来りの皮は、麁末な麦の香のする田舎饅頭なんですが、その餡の工合がまた格別、何....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
せた、同じ童が艪を押して、より幼き他の児と、親船に寝た以前の船頭、三体ともに船に
在り。 斜めに高く底見ゆるまで、傾いた舷から、二|人半身を乗り出して、うつむけ....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
羽音を響かす、蚊が居ないという裏町、俗にお園小路と称える、遊廓桜木町の居まわりに
在り、夜更けて門涼の団扇が招くと、黒板塀の陰から頬被のぬっと出ようという凄い寸法....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
ながら、二階の硝子窓に映る火影を口惜しそうに見つめていました。 「折角御嬢さんの
在りかをつきとめながら、とり戻すことが出来ないのは残念だな。一そ警察へ訴えようか....
「墓」より 著者:秋田滋
たくしの念頭につきまとって、どうしても離れません。たとえその肉体は腐っていても、
在りし日の面影は認められるであろう。わたくしにはそんな気がいたしました。そして、....
「取舵」より 著者:泉鏡花
」 渠は涼風の来るごとに念仏して、心|窃かに学生の好意を謝したりき。 船室に
在りて憂目に遭いし盲翁の、この極楽浄土に仏性の恩人と半座を分つ歓喜のほどは、著く....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
評論全篇の骨子にして、論者がかかる推定より当時もっとも恐るべきの禍は外国の干渉に
在りとなし、東西|開戦せば日本国の存亡も図るべからざるごとくに認め、以て勝氏の行....
「明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
に至らなければならないのである。ところが、カントでさえもやはり現象を実在の彼岸に
在りしとして、現象界にのみ応用さるべき空間の図式を、現象界の彼岸に応用して実在を....
「おばけずきのいわれ少々と処女作」より 著者:泉鏡花
こんな有様で、昼夜を分たず、ろくろく寝ることもなければ、起きるというでもなく、我
在りと自覚するに頗る朦朧の状態にあった。 ちょうどこの時分、父の訃に接して田舎....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
進潔斎すという。金曜日はヤソ死刑に処せられたる日なればなり。 政教子、ローマに
在りて一人の僧に面し、僧侶兵役のことを問う。僧曰く、この国の僧侶は二年間兵役に従....
「まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
認したという形で理屈においてそう変ったことはない。日本にいても、アメリカの憲法の
在り方は解るし、運営についても一応は紹介されているが、これを現実に見てこの視察の....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
し得ざること多し。前老を決戦戦争とせば後者は持久戦争と称すべし。 二 決戦戦争に
在りては武力第一にして、外交・財政は第二義的価値を有するに過ぎざるも、持久戦争に....