在りし日[語句情報] » 在りし日

「在りし日〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

在りし日の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
踊る地平線」より 著者:谷譲次
北東の秘密活動本部をここへおく第三国際の宣伝員、すべての主義と世の動きとをよそに在りし日を夢みる階級――それらの露西亜人とその家族たちが、しばらく政治と闘争と謀....
大和路・信濃路」より 著者:堀辰雄
ありません。だが、自分の愛しているものでも死んだような場合には、死後もなお彼女が在りし日の姿のまま、その葬られた山の奥などをしょんぼりとさすらっているような切な....
丹下左膳」より 著者:林不忘
まや、代稽古峰丹波の手で、老先生の遺骸に湯灌を使わせて納棺《のうかん》してある。在りし日と姿かわった司馬先生は、経かたびら、頭巾、さらし木綿の手甲《てっこう》脚....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
着きました。碑銘の前文を判読すると、こうありました。 ここにクラリモンド埋めらる在りし日に 最も美しき女として聞こえありし。 「ここに相違ない」と、セラピオン師....
」より 著者:秋田滋
たくしの念頭につきまとって、どうしても離れません。たとえその肉体は腐っていても、在りし日の面影は認められるであろう。わたくしにはそんな気がいたしました。そして、....
起ち上る大阪」より 著者:織田作之助
の顔は或は古く或は新しくさまざまな粧いを凝らしていたものだが、今日の大阪はすでに在りし日のそうした化粧しない、いわゆる素顔である。つまりは、素顔の中に泛んだ表情....
わが童心」より 著者:佐藤垢石
が、藍青の裾を長くひいた山々は、過ぎし日の温容そのままで、わが亡き父母に代わって在りし日の想い出を、私に物語るのではないか。 なんでこんなよい日本を人手に渡せ....
墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
ぬ凄惨さです。 よほど火の回りでも早かったのでしょうか? ことごとく焼失して、在りし日のあの豪奢さ、瀟洒なぞというものは跡形もありません。しかも焼け跡を歩き回....
神戸」より 著者:古川緑波
ってみたら、キャバレーになっていた。 でも、僕は、その辺を通る度に、ちらっと、在りし日のヴェルネクラブの方を見るのである。 今日も、ちらりと、その方を見なが....
三国志」より 著者:吉川英治
を見のがしてくれよ」 「あいや、おことば、ご卑怯に存ずる。いかにも、むかし許都に在りし日、丞相のご恩を厚くこうむりはしたものの、従って、白馬の戦いに、いささか献....
三国志」より 著者:吉川英治
諸門|衙営の名残り、みな整々と法にかなっている。 司馬懿は、低徊久しゅうして、在りし日の孔明を偲びながら、独りこう呟いたという。 「真に、彼や天下の奇才。おそ....