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「在方〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

在方の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
「川越辺では今度の一件を知っているのか」 「城下では知っている者もありましたが、在方《ざいかた》の者は知りません。どっちにしても、お城にこんな事があったそうだ位....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
だとある。国恩を報ずべき時節であると言って、三都の市中はもちろん、諸国の御料所、在方村々まで、めいめい冥加のため上納金を差し出せとの江戸からの達しだということが....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
も変わりつつあった。千余人からの浪士の同勢が梨子野峠を登って来ることが知れると、在方へ逃げ去るものがある。諸道具を土蔵に入れるものがある。大切な帳面や腰の物を長....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
と半蔵の思った郷里の百姓をはじめ、宿方としては馬籠のほかに、妻籠、三留野、野尻、在方としては蘭村、柿其、与川その他の木曾谷の村民がこの一揆の中に巻き込まれて行っ....
縮図」より 著者:徳田秋声
らか安心したのだった。芸妓屋が六七軒に、旅館以外の料亭と四五軒の待合がお出先で、在方の旦那衆に土地の銀行家、病院の医員、商人、官庁筋の人たちが客であった。 「こ....
」より 著者:徳田秋声
その心当りの家の様子が詳しく知りたかった。七人目で、後妻の腹から産れた子を、ある在方へくれる話を取り決めて、先方の親爺がほくほく引き取りに来た時、※弱そうな乳呑....
丹下左膳」より 著者:林不忘
そのなんとか横町とか駒形なんかには、縁もゆかりもない方角ちがい、江戸というよりも在方《ざいかた》に近い、ひどく不粋な四谷のはずれのものなのさ」 「オウ、姐さん、....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
いますと、(姉さん一緒においで。――)そういって、堂のわきの茂りの中から、大方、在方の枝道を伝って出たと見えます。うす青い縞の浴衣だか単衣だか、へこ帯のちょい結....
淪落の青春」より 著者:坂口安吾
の方じゃ普通ですが、山地では、こゝは珍しい方でしょうな。私ども元々春から秋までは在方の百姓ですが、然し、この一座を組織してから、私が二代目の団長で、かれこれ三十....
鴛鴦鏡」より 著者:岡本綺堂
が、ここらも暦が新旧ともに行なわれていて、盆や正月の場合にも町方では新暦による、在方では旧暦によるという風習になっているので、今この事件の起った正月の下旬も、在....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
非常に可愛がってくれるのだ。 九の日、九の日に市が立って店が賑おうたが、ある時在方の女客が品物を盗んだ事があった。私が驚いたのには、豊子姉はその客の頬を平手で....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
、汽車に遠い山入りの辺鄙で、特に和倉の有名なのがある国です。近ごろでは、まあ精々在方の人たちの遊び場所、しかも田植時にかかって、がらんとしていると聞いて、かえっ....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
の孫の分家の新屋だというのを、ぞろぞろと引率して、しなくも可い、別院へ信心参りに在方から出掛けて来て、その同勢で、久の実家だと泊り込むんです。草鞋を脱いだばかり....
挿話」より 著者:徳田秋声
江は嗄れたような声でぐずっている子供をすかしながら答えた。 ふみ江の良人の家は在方であったが、学校へ通っている良人の青木は、町に下宿していたけれど、ふみ江は青....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
題)になっていまして、なかなか研究がむずかしい問題です。 つまり僧の態度は、実在方面一方の人生の解釈で、まるで人間味がありません。これでは草木も同様です。それ....