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地勢
「地勢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
地勢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ある崖上の感情」より 著者:梶井基次郎
にあったのかと不思議な気がした。元来その辺はむやみに坂の多い、丘陵と谷とに富んだ
地勢であった。町の高みには皇族や華族の邸に並んで、立派な門構えの家が、夜になると....
「ある宇宙塵の秘密」より 著者:海野十三
あった。これは次の年の八月に、火星の近日点が来るので、そのときにシュミット博士は
地勢上、いちばん都合のよい東京から火星旅行に出発しようというので持ってきたもので....
「鮨」より 著者:岡本かの子
てA―丘の後へ入りかける夕陽を眺めているときででもあると(湊の生れた家もこの辺の
地勢に似た都会の一隅にあった。)子どもはこのままのめり倒れて死んでも関わないとさ....
「流線間諜」より 著者:海野十三
、いま問題のボゴビとラザレフ岬も同じような地点である。これはどうしたというのか。
地勢が似かよっているのは偶然なのだろうか、それともそこに深い意味があるのだろうか....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
夕暮を涼みながら、我を迎うる風情に彳む。 と見れば鍵屋は、礎が動いたか、四辺の
地勢が露出しになったためか、向う上りに、ずずんと傾き、大船を取って一|艘頂に据え....
「鴨の喜劇」より 著者:井上紅梅
った。蓮池は彼等を入れるにはもうあまりに小さくなった。 幸いにして仲密の屋敷の
地勢は低地であったから、一度夕立が降ると庭じゅう水溜りになり、彼等は嬉しげに泳ぎ....
「鷲」より 著者:岡本綺堂
鷲が薩摩の少年をさらって行ったというような、長距離飛行の記録もある。 そこで、
地勢の関係かどうか知らないが、江戸へ飛んでくる鷲の類は、深川|洲崎の方面、または....
「遠野の奇聞」より 著者:泉鏡花
う。しからざれば、妖怪変化豈得てかくのごとく活躍せんや。 この書、はじめをその
地勢に起し、神の始、里の神、家の神等より、天狗、山男、山女、塚と森、魂の行方、ま....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
川も増水の勢で、砂を流し流し、浪に堰かれて、相逆ってそこに砂を装上げる。能登には
地勢上、これで出来た、大沼小沼が、海岸にはいくらもあります。――河北潟も同一でし....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
してある。極めて小さな、そして極めて危険なものだ。僅か一坪の平地すらないこの辺の
地勢から考えても、その勾配の急なことが知れよう。 ここは村から一番奥の焼畑で、....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
人の通るべき道ではない。 この加賀澤から更に二十里ほどの奥であると云えば、其の
地勢などは委しく説明する必要もあるまい。そこに戸数八十戸ばかりの小さい駅がある。....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
ては父母の教育、家を出でては朋友の教育、学校の教育これなり。天然の教育とは、天候
地勢、山川草木等、我人の体外に囲繞せる諸象、およびこれより生ずるところの万変万化....
「西航日録」より 著者:井上円了
、その性質もまた緩慢なり、その事業もまた緩慢なり。緩慢は実にシナ人の特色にして、
地勢も河流も同じく緩慢なり。余がシャンハイに上陸するごとに、楊子江の緩慢なるを見....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
接す。五時、汽船および漁舟を見る。沿岸一帯すべて突兀せる石山のみ。おのおの異様の
地勢を有す。その高さ海抜一千尺ないし二千尺くらいに過ぎざるも、峰頂残雪の点在する....
「こがらし」より 著者:岩本素白
着なかったのである。いや、それよりも、東京市中には殆ど高層建築というものがなく、
地勢によっては、何処からでも富士も筑波も見通しで、分けても北の筑波おろしが身に沁....