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地唄
「地唄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
地唄の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「草枕」より 著者:夏目漱石
》の落ちついているところから察すると、上方《かみがた》の検校《けんぎょう》さんの
地唄《じうた》にでも聴かれそうな太棹《ふとざお》かとも思う。 小供の時分、門前....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
は撥《ばち》の音に掻き立てられた。はなやかな振り袖着の童女が舞いおさめて、三線は
地唄にあわせて鳴りだした。「こりゃ面白い、こりゃア――」と篠崎彦助は立ちあがった....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
練れた島の娘たちの咽喉から直接《じか》に聴かなけりゃ、本当の味がわからないわね、
地唄というものはみんなそうなのでしょう、日本のものを聞くくらいなら、わかるのを聞....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
悩ますような事はなかった。 この子の母と伯母とは三味線の友達であった。もっとも
地唄の方であった。が、すみ子は面倒臭がって、稽古事はしなかった。その代り彼女は料....
「画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
二十年近くしております。仕舞を舞うこともございます。鼓と長唄もしております。昔は
地唄をいたしたものです。余技とはいえ、私はこれらのものを、遊びとは考えておりませ....
「京のその頃」より 著者:上村松園
が出来ないと言われたくらいで、なかなかの評判だった。 その頃の稽古物はみな大抵
地唄だったが、やあさんのお母さんという人がやさしい女らしい人だったが三味線がうま....
「ながうた勧進帳」より 著者:酒井嘉七
を、広く、各階級、各家庭に普ねからしめた」 こうした過程を経まして、今日では、
地唄、歌沢、端唄と同じ様に、純然たる家庭音楽になっているのでございます。しかし、....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
音羽の滝の音を聞いた時は、 松風に音羽の滝の清水を むすぶ心やすずしかるらん
地唄の三味線は、耳に消えて、御詠歌の声をさながらに聞きますと――はてな、なぜか今....
「握り寿司の名人」より 著者:北大路魯山人
欣びを感ずるのみである。 しかし、本店のおやじがジャズ調であるのに反し、支店は
地唄調というところで、いとも静かな一見養子風の歯がゆいまでにおとなしい男。毎朝|....
「六日月」より 著者:岩本素白
の空気からすると、無論長唄でも清元でも常盤津でもいけない。といって、ただ一と口に
地唄などといっては、当りまえ過ぎて平凡になろう。あの陰気な中に艶のある、薗八でも....