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「地層〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

地層の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
また、他の理由としては、重力の関係もあるに相違ない。横縞には重力に抗して静止する地層の重味がある。縦縞には重力とともに落下する小雨や「柳条」の軽味がある。またそ....
日本山岳景の特色」より 著者:小島烏水
本北アルプスや、またはその山麓のように、火山灰などで被覆されたりしていないから、地層も比較的分明で、地質年代の考定に必要な、化石の発見なども、比較的容易に出来は....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
紀時代のちょうど中ごろなんだ。洪積層は、それから十万年もあとだよ。すると、後代の地層中にいる気遣《きづか》いのない生物がいるとなると、当然まだ、『|天母生上の雲....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ラスのような皮殻から砂ができた。しかして――水と塩類との作用を受けて――その他の地層ができた。海は初め全地球を覆っていたから今日至る所で古昔の貝殻が発見される。....
河明り」より 著者:岡本かの子
て舟を通すようになったので、仙台堀とも云っている、この切堀の断崖は、東京の高台の地層を観察するのに都合がよかった。第四紀新層の生成の順序が、ロームや石や砂や粘土....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
ら、吹きだした地下水がざあっと傾いだ方へながれてゆく。しかし、そうして崩れてゆく地層のうえにある樹々は、どうしたことか直立したままである。攀縁性の蔓植物の緊密な....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
た。肌は咲き初めた紫陽花のように、濃い紺青や赤紫やまたは瑠璃色やまたは樺や、地味地層の異うに連れて所|斑らに色も変わり諸所に峨々たる巌も聳え曲がり蜒った山骨さえ....
未来の地下戦車長」より 著者:海野十三
原野《げんや》であった。方々に、塹壕《ざんごう》が掘ってあったり、爆弾のため赤い地層のあらわれた穴が、ぽかぽかとあいていたり、破れた鉄条網《てつじょうもう》が植....
今昔ばなし抱合兵団」より 著者:海野十三
国が、完全なる防空力を有する地殻及び防空硬天井の下に、かくの如く地下千メートルの地層に堅固なる地下街を建設したことによって、敵国は空中よりの爆弾が一向効目がなく....
桃のある風景」より 著者:岡本かの子
うさせて何かを聴かせているらしい。桃林の在るところは、大体川砂の両岸に溢れた軽い地層である。雨で程よく湿度を帯びた砂に私の草履は裸足を乗せてしなやかに沈んで行く....
金銭無情」より 著者:坂口安吾
我々は、私はでゝ行きます、といふ物質がちやうどまア石炭みたいに、胸の中のどういふ地層で外のどんな物質と一緒に雑居してゐるか取調べませう」 「心理をほじくれば矛盾....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
が右舷のかたに当たって見える――島は火山岩の凹凸線をなし、氷河を現出している白い地層線と交叉しているのである。一直線にしても優に九百マイルはある。グリーンランド....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
ていた。その耕地を左右に見て、一本の野良道を先へ進んだ。土橋を渡るともう荒野で、地層は荒々しい岩石であったが、これは海岸に近いからであった。そういえば波の音がし....
増上寺物語」より 著者:佐藤垢石
と、その道の人が調査したところ、秀忠の棺に詰めた朱が水銀に化して溢れ出し、これが地層を徹して露地へ湧き出したものと分かった。それほど豊富な朱をもって屍を埋めたの....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
に仕方がなかったのでした。しかも塹壕戦は長く続くので、地中の薄汚ない坑道の中で、地層だけを見詰めて歳月を送っては、人間の生活だかもぐらもちの生活だか判らないとい....