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地方色
「地方色〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
地方色の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
面の理由として、資本家階級の間に、どんな策戦があるか探りを入れ始めたんだ。N市は
地方色的に利己的なところであった。そのために争議も、一種の
地方色を持っていたのだ....
「永遠のみどり」より 著者:原民喜
いだした。 その日の午後、彼は姪に見送られて汽車に乗った。各駅停車のその列車は
地方色に染まり、窓の外の眺めものんびりしていたが、尾道《おのみち》の海が見えて来....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
して見ていられるかと思う。 先ず芝居や歌とかいうものは、言葉の違いからかえって
地方色が出て、甚だ面白いというものであるが、日本の現代に生れたわれわれが、日常に....
「百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
バーを以て仕立せさせた「モンペ」を送ると、モンペとしてはステーブルファイバーでは
地方色の趣味が没却される点もあるが然し時節柄の意味に於て国産ステーブルファイバー....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
濃かれ薄かれ、そんな気持ちはたしかにあったのだ。人と、その性質は別としても、その
地方色としては―― 古い日記をくりかえして見ると、父が話してくれたことが書いて....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
ち地方人はその地の特産を大切にし、保護するとともに一段の改善を加えて発達を図り、
地方色を確保することが必要である。私は好んで各地を旅行するが、これはと思うような....
「大正女流俳句の近代的特色」より 著者:杉田久女
荷物が、土間に雪をはらい落して配達されたと云う瞬間の光景を写生して、近代生活の一
地方色を出している。初鮭の北海道らしい
地方色。之等はいずれも事実を有るがままに切....
「文学に現れたる東北地方の地方色」より 著者:佐左木俊郎
東北地方は、日本中のどこよりも、私の気持ちに融合するのであります。 東北地方の
地方色が、文芸作品によって紹介されましたのは、極く最近のことでありまして、東北地....
「緑色の太陽」より 著者:高村光太郎
G(情調)を味いたいのである。僕の心のこの要求は、僕を駆って、この頃人の口に上る
地方色というものの価値を極小にしてしまったのである。(英語にいう LOCAL C....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
らべたらなんでもなかった。このあたりにはそのような貴重な伝説がたくさんあるのだ。
地方色ゆたかな物語や迷信は、こういった辺鄙な、長いあいだ人が住みついていた僻地で....
「新生の門」より 著者:林芙美子
名だそうです。栃木の刑務所には、諸所から来るらしく、女囚の表情や骨格にも、様々な
地方色が窺《うかが》えるのでした。性質と犯罪の統計には、狡猾《こうかつ》と云うの....
「雑煮」より 著者:北大路魯山人
季節にちなんで、お雑煮の話をしたいと思う。 いったいお雑煮は、子供の時分から食べ慣れた故郷の
地方色あるやり方が、いちばん趣味的で意義がある。 主婦の心がけ次第で、第一日は....
「『唯研ニュース』」より 著者:戸坂潤
いたので、新聞は新鮮な味覚を唆る物珍らしい生き物に見えた。 新潟版の処を開けて
地方色を漁ろうとしていた私は、だが忽ち苦笑と一緒に半ペラの新聞紙一枚をI氏に手渡....
「早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
がなく、出る人も同じでありながら、全体の空気なり色彩なりが急に変るということは、
地方色などといえば少し大げさだが、多少そういったようなものも感ぜられて興味あるこ....