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「地炉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

地炉の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
妖怪記」より 著者:田中貢太郎
。そして、戸外へ走りでようとして起きながら見ると、もう何もいずに灰をかけてあった地炉の火が微に光っていた。 お作の家にはどうしても魔物がついている。お作は翌日....
怪しき旅僧」より 著者:田中貢太郎
す」 旅僧は土間へ入って手探りに笠を脱ぎ、草鞋を解いて上にあがった。消えかけた地炉の火の微に残っているのが室の真中に見えた。旅僧は其の傍へ往って坐ったが、主翁....
」より 著者:田中貢太郎
帰って来た。 「……戻ったの、遅かったから心配しておった、都合が好かったの」と、地炉の前にいた女房が庭の方を見て云った。 久兵衛は黙って頷いて見せた。女房は其....
死人の手」より 著者:田中貢太郎
ような気になって、其処へ寄って往きました。 狭い板葺の家の中に、主人らしい男が地炉に火を焚いておりました。旅人は縁前へ往って、 「むこうの村へ往く者であります....
白い花赤い茎」より 著者:田中貢太郎
の眼のようにきらきらと光りだした。小供等は怖くなって家の内へ入った。 そして、地炉の火の前で母の噂をしていたが、どうも帰って来そうな模様が無ので、総領|女は二....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
とき形をなす。頂上に煙出しの口を開く。屋内は床を張らず、木の枝を敷くのみ。中央に地炉ありて、自在鍵を用う。石をもって椅子に代う。夜寝るときは、毛皮を敷きてこれに....
ある神主の話」より 著者:田中貢太郎
漁師の勘作はその日もすこしも漁がないので、好きな酒も飲まずに麦粥を啜って夕飯をすますと、地炉の前にぽつねんと坐って煙草を喫んでいた。 「あんなにおった鯉が何故獲れないか....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
ているのは(肥後、信濃)、ヂとジとの差異を聴き分けたのではなくて、おそらくジロは地炉だという学問が干渉したものである。有名な『後三年絵詞』の「地火炉ついで」の話....