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地蔵菩薩
「地蔵菩薩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
地蔵菩薩の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
じ》か何かが、素早く童部《わらべ》の手から竹馬をひったくって、
「おのれ、よくも
地蔵菩薩を天狗だなどと吐《ぬか》したな。」と、噛みつくように喚きながら、斜《はす....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
ります。如来が一番むずかしいものとなっている。仏工は古来より阿弥陀如来の立像と、
地蔵菩薩の立像をむつかしい物の東西の大関に例えてある。 次に菩薩、これは大心あ....
「仇討たれ戯作」より 著者:林不忘
まう。お竹は邪慳な母お鶴の病いを癒さんと夜詣りをして雪中に凍《こご》えていると、
地蔵菩薩に助けられて地獄をめぐって生き返る。それからいろいろなことがあって話は賊....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
てるつもりだ」 「大菩薩峠の天辺へ……」 「名からしてふさわしいと言うものじゃ、
地蔵菩薩大菩薩、なんとよい思いつきだろう」 「そりゃ方丈様、いい思いつきだ」 「....
「鬼仏洞事件」より 著者:海野十三
屋の飾りつけは、夜明けだか夕暮だか分らないけれど、峨々たる巌を背にして、頭の丸い
地蔵菩薩らしい像が五六体、同じように合掌をして、立ち並んでいた。 轟々たる躁音....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
る苦界にある娘に、あわれな、みじめな、見すぼらしい俄盲目には見えないで、しなびた
地蔵菩薩のようであった。 親仁は抱しめもしたそうに、手探りに出した手を、火傷し....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
が降って、節分には、よく降るんです。正に春立ならんとする時、牡丹に雪の瑞といい、
地蔵菩薩の祥といい、あなたは授りものをしたんじゃないか、確にそうだ、――お誓さん....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
峠を越えたのはあれから三日目。峠の上には雪がありました。 ここには自分の建てた
地蔵菩薩、その台座のあとさきに植えた撫子《なでしこ》も雪に埋れたのを掻《か》き起....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
て而《しか》して後に我れ成仏せん、もし一人《いちにん》を残さば、われ成仏せずと、
地蔵菩薩もお誓いになりました。極楽の御法《みのり》の舟に乗りたくば、胸の塵をばよ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
でありましょうとも、水さえなければ人間も住まわれよう、畑も出来ようものをと、例の
地蔵菩薩がお慈悲心からある時、二人の神様をお呼びになって、 「どうしたものじゃ、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ならず、このお堂もまた与八の手になって、与八の手で運ばれ、一切が手づくりになった
地蔵菩薩の霊場であります。しかし、その発願主《ほつがんぬし》はむしろお松というの....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
しい時、情ない時と、事どもが、まああってもよ。待てな、待てな、さてこうした時に、
地蔵菩薩なら何となさる、と考えれば胸も開いて、気が安らかになることじゃ、と申され....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
の紅梅の枝垂れつつ咲くのがある。明星の丘の毘沙門天。虫歯封じに箸を供うる辻の坂の
地蔵菩薩。時雨の如意輪観世音。笠守の神。日中も梟が鳴くという森の奥の虚空蔵堂。―....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
もなかった、肌襦袢とあれだけでは、襖から透見も出来なかったことなど聞き、聞き……
地蔵菩薩の白い豆府は布ばかり、渋黒い菎蒻は、ててらにして、浄玻璃に映り、閻魔大王....
「法然行伝」より 著者:中里介山
うず》が矢張り五返読んでいるという前例を憚《はばか》って三返だといった程で、時の
地蔵菩薩の化身《けしん》と称していたこの法印が上人を智恵深遠と崇めていたのはよく....