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「地謡〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

地謡の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
所感」より 著者:夢野久作
る年の秋でした。ある地方で私の師であるAという人の「俊寛」の能がありまして、私も地謡の末席として招集されましたので、私は職業の方を二日ばかり休むことにしました。....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
るまいと思われる。 能楽は元来綜合的な舞台芸術である。だから仕手方を本位とする地謡、囃子方、狂言等に到るまで、同曲の荘厳と緊張味とを遺憾なく発揮し得なければ、....
謡曲黒白談」より 著者:夢野久作
阿片の中毒と同じで、止めようと思ってもガタンガタンが四楽に聞こえ、ゴドンゴドンが地謡いに聞こえて、唇自ずからふるえ、手足自ずから動き、遂に身心は恍惚として脱落し....
能とは何か」より 著者:夢野久作
滅してしまった……という事が出来る。 出 演 者 ここに云う出演者は地謡い(合唱隊)と囃方と後見とを除いたもので、扮装をして出て来る、曲中の人物のみ....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
「(源三郎)……我子は有らん、父大臣もおわすらむ……」 と声が幽んで、源三郎の地謡う節が、フト途絶えようとした時であった。 この湊屋の門口で、爽に調子を合わ....
西林図」より 著者:久生十蘭
白扇を持ち、二人の前までくると、荘重に白扇をかまえ、 「ようこそ、お帰り」 と地謡《じうたい》の調子で宣《なの》りあげると、文女は迸りでるような声で、 「おじ....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
て、東京から私を呼ぶったって……この土地の人は、土地流の、土地能の、土地節の、土地謡の方が大した自慢でね、時々九段や、猿楽町……震災で焼けたけれど、本舞台へ来て....
私本太平記」より 著者:吉川英治
合せで、小右京には鼓をたのみ、元成が太鼓を勤め、卯木は笛を持つことになっていた。地謡を謡い出たのは老法師右馬介である。――それにつれて、大床の中ほどへすすみ出た....
随筆 私本太平記」より 著者:吉川英治
が、海老蔵の大森が幕ギレで舞うあの唄は、私も建武らくがき帖で使った当時の流行歌を地謡にしたもので「……浮かれて歩く色好み、バサラ扇の五本骨」などとあるあの二条河....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
日本を打ち消してしまいたがる人があるが、それは記紀から万葉、催馬楽、田楽、諸国の地謡というものを真には研究して見ないからだ。すばらしいぜ、田歌なぞは。でなくとも....