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地道
「地道〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
地道の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
《き》一本でもありませんのよ。
母の遺言だから木村と夫婦になれ。早く身を堅めて
地道《じみち》に暮らさなければ母の名誉をけがす事になる。妹だって裸でお嫁入りもで....
「放浪」より 著者:織田作之助
んで、チップもいれて三円の儲になった。金を貯めて、小鈴とやがて産れる子供と三人で
地道に暮すつもりやと北田はいい、そして、高峰、お前も温泉場の料理屋へ板場にはいり....
「競馬」より 著者:織田作之助
じょうだん》に思えず、十八の歳《とし》から体を濡《ぬ》らして来た一代にとっては、
地道な結婚をするまたとない機会かも知れなかった。思えば自分ももう二十六、そろそろ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
あ、そんなことかも知れません。その連中には女でも手慰みをする者がありますからね。
地道なことで無くしたのなら、師匠もそんなに叱る筈はありません。なにか悪いことをし....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
業すれば立派な先生になるんだわ、ねえ。先生。 姉さんもそればっかり楽みにして、
地道に稼いじゃ、お金子を送っているんでしょう。……ええ、あの、」 と心得たよう....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
気の毒。敵への憤激は日に日につのるが、さてこっちは空へ手が届かず、まことに残念。
地道ながら努力して戦力を盛りかえすしかない。 ちなみに一家は茨城県太田へ移った....
「ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
完全に抜けだしてしまったのでは、こんどは生活の上に大きな脅威をうける。もう彼は、
地道にコツコツ働いて、月給五十円也というような小額のサラリーマン生活をする気はな....
「勝負師」より 著者:織田作之助
お父っちゃんと呼んで想いだしてくれたのかと、さすがに泣けて、よっぽど将棋をやめて
地道な働きを考え、せめて米一合の持駒でもつくろうとその時思ったが、けれど出来ずに....
「道なき道」より 著者:織田作之助
親戚の者たちは、庄之助に忠告して、 「ヴァイオリンみたいなもの廃めてしもて、何ぞ
地道な商売をしたらどないや」 と言うのだったが、きかなかった。そして相変らず「....
「雪の夜」より 著者:織田作之助
坂田はびっくりしたのだ。お腹の子供のこともあることやし、金のなくならぬうちに早よ
地道な商売をしようと照枝は言い、坂田は伏し拝んだ。いろいろ考えて、照枝も今まで水....
「競馬」より 著者:犬田卯
ゃのまま引出して煙草入のかますへ押し込んだ。貧すれば貪する! それは実際だった。
地道にやっていたのでは一円の小遣銭をかせぎ出すことさえ不可能な村人達は、何か幸運....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
た。 夜の女であったということも、充分罪にする理由だったが、雪子も充分改心して
地道な生活にはいると誓ったので、刑事は説諭と始末書だけで、釈放することにした。 ....
「春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
もあって、折々ひやひやさせられた。それが一とたび村落の中に這入ってみると、雪道と
地道との過渡期なるこの季節のこととて、例の家根から掻き落した雪が、まだそのままに....
「放浪」より 著者:織田作之助
んで、チップもいれて三円の儲になった。金を貯めて、小鈴とやがて産れる子供と三人で
地道に暮すつもりやと北田はいい、そして、高峰、お前も温泉場の料理屋へ板場にはいり....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
たとえ雑草でもいい、もっと大地に根を下ろそう』と。ここで身を転じ、石炭屋よりも、
地道な商売を選んでまじめにやろう、という気になった。そこで割合続いた石炭屋もこれ....