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「地鳴り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

地鳴りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
疑惑」より 著者:芥川竜之介
がつぶれました。それがほんの一二分の間の事で、まるで大風のような凄《すさ》まじい地鳴りが襲いかかったと思いますと、たちまちめきめきと家が傾《かし》いで、後《あと....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
ーン》の比ではないのだ。それは、※《ひょう》という疾風の形容より、むしろもの凄い地鳴りといったほうがいいだろう。 飛ぶ氷片、堆石の疾走――みるみるケルミッシュ....
第五氷河期」より 著者:海野十三
と下におりた。 「地震らしい。へんな地震だ」 そういっているとき、気持のわるい地鳴りが、人々の耳をうち、そしてその音は、しだいに大きくなり、やがて、どーん、ど....
空中墳墓」より 著者:海野十三
場の砂利の上に降り立った。入口にピタリと身体をつけていたが、やがて大きな鉄扉が、地鳴りのような怪音と共に、静かに左右へ開いた。私達三人は滑るようにして内へ駈けこ....
」より 著者:海野十三
蠅は、しずしずと私の方に躙りよってきた。眼玉が探照灯のようにクルクルと廻転した。地鳴りのような怪音が、その翅のあたりから聞えてきた。蓮池のような口吻が、醜くゆが....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
式の旗飾りのついた大きな鍵がぶら下っていた。その扉には鍵が下りてなく、石扉特有の地鳴りのような響を立てて開かれた。ところが、不思議なことには、前室が爛れんばかり....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
がりはじめたのだ。 大柄な獣さえこない禁断の地響きに、とつぜん、足もとがごうと地鳴りを始めた。 と見る……ああ、なんという大凄観! とつぜん、目前一帯の地が....
怪異考」より 著者:寺田寅彦
われた。ところが先年|筑波山の北側の柿岡の盆地へ行った時にかの地には珍しくない「地鳴り」の現象を数回体験した。その時に自分は全く神来的に「孕のジャンはこれだ」と....
雪魔」より 著者:海野十三
い切って穴から外にはい出した。ところが、そのすぐあとで、どういうわけか、とつぜん地鳴りとともに大山つなみが起った。そして穴のあったところはすっかり岩石の下にうま....
火星探険」より 著者:海野十三
えた。 「重力中和機の全部。スイッチ入れろ」 「よいしょッ」 と、ぐぐぐぐッと地鳴りのような響がして、けたたましく警鈴《ベル》が鳴りだした。 「ああッ」 「う....
千早館の迷路」より 著者:海野十三
ら間もなく、帆村は愕きの表情になって、突然口を切った。 「あ、気のせいだろうか。地鳴りがしたようだが……。春部さん、あなたは今、地鳴りを聞きませんでしたか、地鳴....
空襲下の日本」より 著者:海野十三
騰する火焔に変った。焼夷弾が落下したのだった。 どどーン。ぐわーン。ぐわーン。地鳴りとも、爆音ともハッキリわからない音響が、だんだん激しく鳴りだす。照空灯は、....
火葬国風景」より 著者:海野十三
どこかで聞いたことのある音響だった。ドンドンという低いながらも、底力のある物音が地鳴りのように、八十助の腹の底を打った。彼は呼吸をこらし、身体をすくめてその異様....
幽霊」より 著者:小野佐世男
から吹きだした血は、顎から糸のようにこぼれる。眼玉は生柿色。グラグラの前歯からは地鳴りのようなうめきがもれる。眼を外らそう、せめて頸だけでもねじろうとするが、全....
雷嫌いの話」より 著者:橘外男
きぬ。七月三十一日の、晩であった。ガラガラバリバリゴロゴロズシンとのべつ幕なしに地鳴り震動して、私はもう、死んだ方がいいと、往生観念したくらいであった。 妻も....