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均勢
「均勢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
均勢の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
取った。別にそれほど目立つ男ではなかったが、鼻筋の通った痩せぎすな顔に品があり、
均勢の取れた姿もスマートであった。 葉子はちょっと衝立の端から半身を現わして、....
「青年」より 著者:森鴎外
しているばかりである。そして日々の為事には、国から来た新聞を読む。新聞では列国の
均勢とか、どこかで偶々起っている外交問題とかいうような事に気を着けている。そんな....
「幻覚記」より 著者:豊島与志雄
と立止ってしまった。年齢は三十歳くらいの感じで、黒のコートにつつまれた姿は絶対的
均勢を保ち、ふっくらした束髪にかこまれた顔には、理想的な女性美を示している。――....
「文学以前」より 著者:豊島与志雄
亀とが十匹ばかりいるきりである。そのいし亀とくさ亀にしても、初めは、甲羅が美しく
均勢のとれたものを吟味して集めたのだが、長く飼養しているうちに、徐々にではあるが....
「台湾の姿態」より 著者:豊島与志雄
会マッカイ博士が布教をかねて建造したものであるが、亭子脚を具えた廊下、窓や壁間の
均勢、中央のドームなど、西洋と支那との両様式を巧みに取り入れ、而も台湾の土地柄に....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
いた。そして生涯《しょうがい》の間彼の天才の無意識的な努力は、力強い両の翼の平衡
均勢を維持することに向けられていた。彼はゲルマン的な夢想に富めば富むほど、ラテン....
「魔都」より 著者:久生十蘭
を刻む振子の音ばかり。
こういう凝体が永久につづくかと思われたころ、突然画面の
均勢を破って内務大臣が身動きし出した。困却したような眼差でグルリと一座を見廻すと....
「墓地展望亭」より 著者:久生十蘭
いでいる。 なににもまして、驚かれるのは、たとえようもない貴族的な美しい鼻と、
均勢のとれた楕円形《オブアール》の顔の輪廓だった。近東の古い家系の中で稀れに見ら....
「古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
置の変化は、天衣の左右整斉とからみあって、体全体に、流るるごとく自由な、そうして
均勢を失わない、快いリズムをあたえている。 横からながめるとさらに新しい驚きが....