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均整
「均整〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
均整の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
いが、ぴちぴちと締まった肉づきと、抜け上がるほど白い艶《つや》のある皮膚とはいい
均整を保って、短くはあるが類のないほど肉感的な手足の指の先細《さきぼそ》な所に利....
「橡の花」より 著者:梶井基次郎
として笑い直せたのです。然し私は変にそれが云えなかったのです。そして健康な感情の
均整をいつも失わないOを羨《うらやま》しく思いました。 三 私の部屋はいい部屋....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
スタイルが颯爽としてたんでもありましょうがね、私の云うのは顔なんですの、素晴しく
均整のとれてる顔が、馬上でほっと赧らんでいましたの。」「ははあ。」と麻川氏はどう....
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
させられる。 これと反対に、すこぶる好々爺な白猫がやって来る。 大きな顔に不
均整な黄斑が少しあるのが、なんとなく滑稽味を帯びて見える。 「ボウヤ」は、この「....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
る。夕焼のように混濁した朱でなくて、聖くて朗らかな火である。富士の斜面のヒダは、
均整せられて、端然たる中にも、その高いところは光を強く受けて、浮彫につまみ上り、....
「映画雑感(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
い。 蛮人の王城らしい建物が映写される。この建物はきわめて原始的であるが一種の
均整の美をもっている。素人目にはわが大学の安田講堂よりもかえって格好がいいように....
「猫の穴掘り」より 著者:寺田寅彦
結果としてあらゆる交通機関が異常に発達したのはよいが、その発達が空間的時間的に不
均整なために、従来は接触し得なかったような甚だしい異質的なものの接触が烈しくなり....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
そ人の外部に表われたところは、幾分かその内の精神を示すものである。船長は丈高く、
均整のよく取れた体格で、色のあさ黒い美丈夫である。そうして、不思議に手足を痙攣的....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
いう美しく健康で、快活で無邪気であることか! 身長も高ければ肥えてもいる。四肢の
均整がよく取れていて、胸などもたっぷりと張っている。切れ長でしかも大きな眼、肉厚....
「火の扉」より 著者:岸田国士
しきいをついて軽く会釈をしたのは、井出康子である。 そう大柄ではないけれども、
均整を保つてよく伸び/\と育つたし体、殊に眼じりの切れの細く長く切れ上つたあたり....
「智恵子の半生」より 著者:高村光太郎
運命のつながりが二人の間にあるのではないかという予感をふと感じた。彼女は実によく
均整がとれていた。 やがて彼女から熱烈な手紙が来るようになり、私も此の人の外に....
「「生活」+「戦争」+「競技」÷0=能」より 著者:癋見鈍太郎
ると、その心境なり、その動作なりが、イツ知らず純一崇高化して来て、自然と能の型の
均整美に接近して来るのだ。 その中でも姿態の方から観察すると、労働者が習熟鍛練....
「兄妹」より 著者:岡本かの子
冷たくずっと下の靴できっちり包んでいる足の先は緊密に温い。道の土がかわいて処女の
均整のとれた体重を程よくうけとめて呉れる。二人は、わざと電車に乗らないのだ。歩け....
「明暗」より 著者:岡本かの子
思い切って三木雄の手を捉えた。 「さ、触ってごらんなさい。あなたのお体がどんなに
均整のとれた立派な恰好だか判りますわ。序に私のも……智子も今日は青いクレープデシ....
「墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
その水着がズップリ濡れてからだ中キラキラ陽に輝いて、すらりとしながら引き締まって
均整の執れた手肢……恰好のいい胸の隆まり! 私に見せた笑い顔がまだ眼前に散らつい....