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坊や
「坊や〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
坊やの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「狂人日記」より 著者:秋田滋
私の脳裡にこんな考が浮んだ、「この子を殺したら?」 私はその子に答えた。 「
坊や、ひとりでいるの?」 「ああ」 「たったひとりで森にいるのかい?」 「ああ」....
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
と、眠られないあまりに、小さな手や足を動かして、泣いてでもいるのかもしれない。「
坊やはいい子だね。おとなしく、ねんねしておいで、今にじき夜が明けるよ。」――彼女....
「絵本の春」より 著者:泉鏡花
余り凝るから魔が魅した。ある事だ。……枝の形、草の影でも、かし本の字に見える。新
坊や、可恐い処だ、あすこは可恐い処だよ。――聞きな。――おそろしくなって帰れなか....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
えながら泣きなすったっけ。 桑の実の小母さん許へ、※さんを連れて行ってお上げ、
坊やは知ってるね、と云って、阿母は横抱に、しっかり私を胸へ抱いて、 こんな、お....
「女客」より 著者:泉鏡花
早速だ、おやおや。」 「大分丁寧でございましょう。」 「そんな皮肉を言わないで、
坊やは?」 「寝ました。」 「母は?」 「行火で、」と云って、肱を曲げた、雪なす....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
の事――は棄置かれぬ。 且つその顔色が、紋附の羽織で、※の厚い内君と、水兵服の
坊やを連れて、別に一人抱いて、鮨にしようか、汁粉にしようか、と歩行っている紳士の....
「海異記」より 著者:泉鏡花
ドンと打つかるごとに、崖と浪とで戦をする、今打った大砲で、岩が破れやしまいかと、
坊やをしっかり抱くばかり。夜中に乳のかれるのと、寂しいばかりを慾にして、冷いとも....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
し、皆も食べたんですから、看板の※のせいです。幾月ぶりかの、お魚だから、大人は、
坊やに譲ったんです。その癖、出がけには、
坊や、晩には玉子だぞ。お土産は電車だ、と....
「化鳥」より 著者:泉鏡花
それで怒ったの、そうなの。」 母様は合点々々をなすって、 「おお、そんなことを
坊や、お前いいましたか。そりゃお道理だ。」 といって笑顔をなすったが、これは私....
「春昼」より 著者:泉鏡花
御覧じろ。第一、野良声の調子ッぱずれの可笑い処へ、自分主人でもない余所の小児を、
坊やとも、あの児とも言うにこそ、へつらいがましい、お坊ちゃまは不見識の行止り、申....
「清心庵」より 著者:泉鏡花
った。 私は何とも知らなかったけれど、気が着いたら、尼様が、頭を撫でて、 (千
坊や、これで可いのじゃ。米も塩も納屋にあるから、出してたべさしてもらわっしゃいよ....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
て、入って来た男があったの。沓脱に突立ってて、案内もしないから、寝かし着けていた
坊やを置いて、私が上り口に出て行って、 (誰方、)といって、ふいと見ると驚いたが....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
「いや、ええ、その……師、師匠の娘でござりまして。」 「何ですね、――ねえ、……
坊や。」 と、敷居の内へ……片手づきに、納戸へ背向に面を背けた。 樹島は謝礼....
「古狢」より 著者:泉鏡花
いていようと、遥な台所口からその権ちゃんに持って来させて、御挨拶は沢山……大きな
坊やは、こう見えても人見知りをするから、とくるりと権ちゃんに背後を向かせて、手で....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
そうですな。 まあ、その紋着を着たんですね、博多に緋の一本独鈷の小児帯なぞで。
坊やは綺麗になりました。母も後毛を掻上げて、そして手水を使って、乳母が背後から羽....