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坊主頭
「坊主頭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
坊主頭の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
、まだ口を開かぬうちに忽《たちま》ちその答を発見した。朝焼けの揺らめいた川波には
坊主頭の死骸《しがい》が一人、磯臭い水草や五味《ごみ》のからんだ乱杭《らんぐい》....
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
しても見ることは出来なかった。ただその大きい目前《もくぜん》の影は疑う余地のない
坊主頭《ぼうずあたま》だった。のみならずしばらく聞き澄ましていても、この佗《わび....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
しべえやっこ》、水槽《みずぶね》の前に腰を据《す》えて、しきりに水をかぶっている
坊主頭、竹の手桶《ておけ》と焼き物の金魚とで、余念なく遊んでいる虻蜂蜻蛉《あぶは....
「路上」より 著者:芥川竜之介
た穴の上には、水道栓が蛇口《じゃぐち》を三つ揃えていた。しかもその穴の一つには、
坊主頭《ぼうずあたま》の若い男が、カアキイ色の袋から首だけ出して、棒を立てたよう....
「星座」より 著者:有島武郎
しめえな」
「冗談じゃないよ、学生さん」
渡瀬は十三四らしいその小僧の丸っこい
坊主頭を撫でまわした。
「お前は俺が酔ったまぎれに泣いてるとでも思うんか。……よ....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
、煤けた天井に八間行燈の掛かったのは、山駕籠と対の註文通り。階子下の暗い帳場に、
坊主頭の番頭は面白い。 「いらっせえ。」 蕎麦二膳、蕎麦二膳と、境が覚悟の目の....
「恐しき通夜」より 著者:海野十三
え」 「儂に口を開かせるなんて、罪なことだと思うが」と川波大尉は、ちょっと丸苅の
坊主頭をクルリと撫でながら、「どうせ三人きりのことだ。一人|脱けたって面白くある....
「海底大陸」より 著者:海野十三
褐色のきりがおりてきた。 飛行機から放出した催涙液が、どんどんおちてくるのだ。
坊主頭の上には、見る見るくろずんだきたないしみが目立ってきた。醜怪な触手のような....
「田端日記」より 著者:芥川竜之介
番をしていた。入学試験はどうしたいと尋いて見たら、「ええ、まあ。」と云いながら、
坊主頭を撫でて、にやにやしている。それから暇つぶしに清を相手にして、五目ならべを....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
遮られず、嵐の下の虫の声。が、形は著しいものではない、胸をくしゃくしゃと折って、
坊主頭を、がく、と俯向けて唄うので、頸を抽いた転軫に掛る手つきは、鬼が角を弾くと....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
は其奴の罪じゃ。 いかに客僧、まだ拙者を疑わるるか。」 と莞爾として、客僧の
坊主頭を、やがて天井から瞰下しつつ、 「かくてもなお、我等がこの宇宙の間に罷在る....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
前晩春の頃、同じこの境内で、小児が集って凧を揚げて遊んでいた――杢若は顱の大きい
坊主頭で、誰よりも群を抜いて、のほんと脊が高いのに、その揚げる凧は糸を惜んで、一....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
の俳友の住居は、千石の邸の構で、大分|懇にもてなされた。かこい網の見物に(われは
坊主頭に顱巻して)と、大に気競う処もあって――(鰯、鯖、鰺などの幾千ともなく水底....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
、こっちから……脚の方から入りましてね、いま、貴方が掛けておいでなすったその松の
坊主頭――坊主じゃないんですけれど、薄毛がもやもやとして、べろ兀の大い円いの。…....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
て見ると、いつも多い釣師の連中は一人もそこに来ていなかった。その代りに杭の間には
坊主頭の土左衛門が一人うつむけに浪にゆすられていた。…… 両国橋の袂にある表忠....