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「坊間〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

坊間の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
秋山図」より 著者:芥川竜之介
も、あの秋山図が、張氏《ちょうし》の家に蔵してあることを知ったのでしょう。何でも坊間《ぼうかん》の説によれば、張氏の孫は王氏《おうし》の使を受けると、伝家の彝鼎....
ロマネスク」より 著者:太宰治
なほうがよい。このたびわが塾に於いて詩経の講義がはじまるのであるが、この教科書は坊間《ぼうかん》の書肆《しょし》より求むれば二十二円である。けれども黄村先生は書....
春六題」より 著者:寺田寅彦
スとはあるまいと言ったそうである。この言葉がまた例によって見当違いに誤解されて、坊間に持てはやされている。そして彼の理論の上に輝く何かしら神秘的の光環のようなも....
映画雑感(Ⅲ)」より 著者:寺田寅彦
ったそうである。 友人たちとこの映画のうわさをしていたとき、居合わせたK君は、坊間所伝の宮本武蔵対|佐々木巌流の試合を引き合いに出した。武蔵は約束の時間を何時....
地図をながめて」より 著者:寺田寅彦
るとき気のついたことは、たいていの運転手が陸地測量部地形図を利用しないでかえって坊間で売っている不正確な鳥瞰的地図を使っていることである。どうも地形図の読み方を....
現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
としての物質――を何より先に思い起こさせるという事情は、無理ではない*。更に之が坊間の日常語としては、欲情や所有物や金銭を意味するようになったことには、充分な理....
思想としての文学」より 著者:戸坂潤
が、併しこの区別には一定の歴史的乃至階級的な根柢があったのである。だから民間的、坊間的なものや、庶民的、市民的なものや、更に又無産者的なものが、貴族的、僧侶的、....
世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
だとすることによって、神職的な学者同業組合によって神聖化された科学をば、世俗的な坊間のものにまで引きおろす。天上からこうして地上にまで引きおろされたものが、科学....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
ーは国権上の威力を生じるだろう。更に行政改革、議会制度改革、に関する軍部案として坊間報道されたものは、政府機構の官僚独裁化、デモクラシーの否定、を暗示している。....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
二、「|鷹の城」の怪奇 「私はこの際、フォン・エッセン艇長の最期を明らかにして、坊間流布されておりますところの、謬説を打破したいと考えます。 私ども四人が当時....
瘠我慢の説」より 著者:木村芥舟
筆記に存するものを、年月の前後に従い順次に編集せられたる実事談なり。近年、著書の坊間に現わるるもの甚だ多し。その書の多き、随て誤聞謬伝もまた少なからず。殊に旧政....
妖怪玄談」より 著者:井上円了
せりといい、あるいは薩州より起これりといい、あるいは外国より来たるというも、みな坊間の風説にとどまりて、確固として信を置くべきものなし。しかれども、その法の本邦....
素人製陶本窯を築くべからず」より 著者:北大路魯山人
工人、それがいつも一人か二人である。次の頼母木氏の場合は少しく事情複雑であって、坊間伝うるところによると、これは必ずしも頼母木氏一建立の御道楽になったものにあら....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
文である。以上の記述も非常に負うところが多いのである。ことに事実に関することで、坊間の和歌史などと異った点があっても、私はすべて石田氏の研究が正しいと思って、そ....
エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
あるが、これらの説が本になったものか、エタは外国人の子孫だなどという俗説が、よく坊間に唱えられている。 余戸が必ずしも外国人でなく、またエタでもない事は言うま....