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坐り
「坐り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
坐りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カルメン」より 著者:芥川竜之介
ったのは紛《まぎ》れもないイイナ・ブルスカアヤである。イイナはボックスの一番前に
坐り、孔雀《くじゃく》の羽根の扇を使いながら、悠々と舞台を眺め出した。のみならず....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
かだった。重吉はこの茶の間へはいると、洋服を和服に着換えた上、楽々と長火鉢の前に
坐り、安い葉巻を吹かしたり、今年やっと小学校にはいった一人息子の武夫をからかった....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
た。すると三浦は例の通り、薔薇《ばら》の花束を持った勝美《かつみ》夫人の額の下に
坐りながら、『ひどく君はあの男が嫌いじゃないか。』と、たしなめるような声で云うの....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
男は神ではありません。ただの人間に過ぎないのです。私はその船乗と、月夜の岩の上に
坐りながら、いろいろの話を聞いて来ました。目一つの神につかまった話だの、人を豕《....
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
すや寝入っているらしかった。妻は自分の来たのを知ると一人だけ布団《ふとん》の上に
坐り、小声に「どうも御苦労さま」と云った。妻の母もやはり同じことを云った。それは....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
。が、祖母はいつもと違って、お栄の泣くのにも頓着せず、その麻利耶観音の御宮の前に
坐りながら、恭《うやうや》しく額に十字を切って、何かお栄にわからない御祈祷《ごき....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
から、それで余計話がはずむのでしょう。片岡なども、今し方あちらへ参って、そのまま
坐りこんでしまいました。」
「道理こそ、遅いと思いましたよ。」
忠左衛門は、煙....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
して行くのが見えた。
「神山《かみやま》さんはいないのかい?」
洋一は帳場机に
坐りながら、店員の一人の顔を見上げた。
「さっき、何だか奥の使いに行きました。―....
「死後」より 著者:芥川竜之介
ら奥へはいることも全然不徳義とは感じなかった。
妻は茶の間の縁側《えんがわ》に
坐り、竹の皮の鎧《よろい》を拵《こしら》えていた。妻のいまわりはそのために乾皮《....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
並べられた。若い女は瓶《ほたり》を執って、彼に酒を勧《すす》むべく、炉のほとりへ
坐りに来た。目近《まじか》に坐っているのを見れば、色の白い、髪の豊な、愛嬌《あい....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
たように思っています。
俊寛《しゅんかん》様は円座《わろうだ》の上に、楽々と御
坐りなすったまま、いろいろ御馳走《ごちそう》を下さいました。勿論この島の事ですか....
「たね子の憂鬱」より 著者:芥川竜之介
女の神経にこだわらない訣《わけ》には行《ゆ》かなかった。
彼等はテエブルの隅に
坐り、ナイフやフォオクを動かし出した。たね子は角隠《つのかく》しをかけた花嫁にも....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
る海面と、船に積んだ無花果《いちじゅく》や柘榴《ざくろ》の実と、そうしてその中に
坐りながら、熱心に話し合っている三人の紅毛人《こうもうじん》とを、読者自身の想像....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
がてあの魔法使いが、床の上にひれ伏したまま、嗄れた声を挙げた時には、妙子は椅子に
坐りながら、殆ど生死も知らないように、いつかもうぐっすり寝入っていました。 ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
つも彼が教室のなかのできごとを見張るときに腰かける高い椅子に王様のようにどっかと
坐りこんでいた。その手に彼は専制君主の力を示す笏というべき鞭をふりかざしていた。....