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坐睡
「坐睡〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
坐睡の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「高野聖」より 著者:泉鏡花
旅宿のつまらなさを、しみじみ歎息《たんそく》した、第一|盆《ぼん》を持って女中が
坐睡《いねむり》をする、番頭が空世辞《そらせじ》をいう、廊下《ろうか》を歩行《あ....
「門」より 著者:夏目漱石
延べて、楽に足を延ばして寝た事はないと云った。冬でも着物のまま壁に倚《もた》れて
坐睡《ざすい》するだけだと云った。侍者《じしゃ》をしていた頃などは、老師の犢鼻褌....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
気がついて見ると、信長の坐を稍々《やや》遠く離れて蒲生の小伜が端然と坐っていた。
坐睡《いねむり》をせぬまでも、十三歳やそこらの小童《こわっぱ》だから、眼の皮をた....
「獄中生活」より 著者:堺利彦
誨師お前さんはと仰せらる 其方はなどと看守の常陸弁 永き日を千九百九十の
坐睡す 入浴はまた獄中生活の愉快の一つで、およそ一週間に一度、或は四五日ぶりに....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
土地の物持とも思われる奴の話したのが、風説の中でも耳に付いた。 叔父はこくこく
坐睡をしていたっけ。私あ若気だ、襟巻で顔を隠して、睨むように二人を見たのよ、ね。....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
かず、階を上って拝殿に入った。が、額の下の高麗べりの畳の隅に、人形のようになって
坐睡りをしていた、十四になる緋の袴の巫女を、いきなり、引立てて、袴を脱がせ、衣を....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
に染みた。 その爺さんがね、見ると……その時、角兵衛という風で、頭を動かす……
坐睡りか、と思うと悶いたんだ。仰向けに反って、両手の握拳で、肩を敲こうとするが、....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
た貴方様、勉強家でござりました癖に、さて、これが療治に掛りますと、希代にのべつ、
坐睡をするでござります。古来、姑の目ざといのと、按摩の
坐睡は、遠島ものだといたし....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
くないからお帰りと、こう言うのだ。汝またかりん糖の仮色を使って口上を忘れるな。」
坐睡をしていたのか、寝惚面で承るとむっくと立ち、おっと合点お茶の子で飛出した。 ....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
く説いてくれる方はごく少ない。論理的で趣味のないむつかしい事ばかり聞いて居ると、
坐睡の出るような事ばかりいわれるから私共は仏法の坊主でありながら厭であった。けれ....
「年中行事覚書」より 著者:柳田国男
る。その中でも眠流しまたはネブタ流しというのが、これからそろそろ始まる夜仕事に、
坐睡りの出ぬまじないだったことは、前に信州随筆という本に詳しく書いておいた。 ....